電気代高騰、いつまで?

 では燃料費調整額の高騰はいつまで続くのだろうか。

「おそらく9月で頭打ちになるのではと予想されています。消費者保護の観点から燃料費調整額には上限値があり、高くなりすぎないよう制限されているんです」

 日本はエリアごとに置かれた10の大手電力会社によって網羅されているが、このうち4つがまだ上限に達していない。このエリアの値上がりも9月には落ち着くだろう。

 注意したいのは、燃料費調整額に上限がない料金プランを展開する電力会社だ。

「電力自由化により、大手電力会社以外の『新電力会社』が多数生まれました。この新電力会社や、大手電力会社で独自の料金プランの中には、この燃料費調整額の上限がないプランもあります。その場合、燃料費がさらに高くなる可能性があります」

 該当する料金プランで契約している場合、早めに契約内容の見直しを。

 また、この先も電力会社の財務状況の悪化は免れない。

「現在の燃料費調整額の仕組みができたのは10年以上前、まだ原子力発電所が動いていた時代です。当時と現在の電力構成は大きく変化しているため、燃料費調整額や電気料金の計算式が見直される可能性はあると思います」

 2016年4月の電力自由化からはや6年。負担する電気料金を下げたいなら電力会社の乗り換えも有効だが、「注意が必要」と中田さんは言う。

「現在、新電力会社の中には燃料費の高騰に耐えきれずに撤退したり、新規契約の受け付けを停止している会社も多くあります。今は乗り換えを検討できる電力会社自体が少ない状況なんです」

 とはいえ、電気料金を安くできる選択肢があるなら実行すべきだ。どんな電力会社を選んだらよいか。

「ガス会社や通信会社など、電力事業とは別に本業があり、その本業が黒字化しているような会社なら、燃料費の高騰にも耐えるだけの体力があるのではないでしょうか」

 契約中の電気会社や料金プランを確認し、電気料金が過度に高くないか、比較サイトでシミュレーションを。