PART1 時間もお金も増える! 紙片づけのステップ

まず入ってくる紙を片づける

 山積みになった紙から手をつけたいところだが、石阪さんがおすすめするのは「入ってくる紙」から処理すること。

「入ってくる紙は、鮮度が高いものが多いので、要・不要の判断がしやすいためです。ここで紙片づけのコツをつかんでおくと、これ以上紙が増えるのを防ぐことができ、たまった紙の仕分けもラクにできるようになります」

 残す紙の基準は「金目の紙」か「使う目的のある紙」かの2通り。

「金目の紙」とは、請求書や保険の証券などお金にまつわる書類のこと。例えば、年末調整をしてお金を返してもらうのに必要な控除の紙や、金券、公的手当の申請書類などが当てはまる。間違えやすいのが「ねんきん定期便」のお知らせ。大事な紙と思いがちだが、実は残す必要はない。

「職歴や将来もらえる年金額などを確認したら処分してOK。ねんきんネットを見ればいつでも確認できるので、捨てても問題ないです」

 次に「使う目的のある紙」は、選挙の紙やゴミ出しに使うシール、予防接種の紙、確定申告に必要なレシート類、クーポンなどがそう。

 この2種類に絞り込むため、入ってきた紙は次の4つのステップでふるいにかけていこう。

STEP1 すぐに捨てる

 DMやチラシ、セールのお知らせなどは即ゴミ箱へ。「このチラシで10%オフ」や「大特価セール」などの文字が目に入ると、「お得そう」と思って「とりあえず取っておこう」となりがちだが、これはNG。

「お得な情報が郵便物で来ることはほとんどないと思っています。お得と見せかけて消費欲を刺激して購入を促しているだけ。本当にそのDMの内容が気になるなら、ウェブサイトでお得情報を確認するといいですね。カレンダーや手帳に“このサイトをチェックする”と書き、紙は捨てましょう」

捨てないチラシは「使う目的のある紙」

 ただし「このセールでコートを買う」などの明確な目的があるなら、セールのお知らせは“使う目的のある紙”になる。はがきは、後ほど出てくるファイルに保存し、カレンダーに「この日はセール」と書いておく。ダメなのは、使うからとテーブルの上に置いておくこと。紙が片づかないだけでなく、どこかに紛れて使い忘れる……となりがちだからだ。

STEP2 確認して捨てる

 金融機関や自治体、学校などからの紙が主に当てはまる。中でも、金融機関からきた紙は、うっかり捨ててしまうと大惨事につながるものもあるので、判断に迷いやすいのが難点。

「それゆえ“後で”となりがち。まず封を開けて中を確認してください。中身がわからないまま保管していても意味がありません」

 封書に『重要』と書かれていても、加入している保険の通知だったり、新しい保険や金融商品のセールスだったりと、さほど重要でないことも多い。「ねんきん定期便」のお知らせ同様、内容を確認したら処分して。

「新しく入った保険も紙を一式残す必要はなし。保険関係で必要な紙は『証券』だけ。約款もホームページに掲載していることが多いので、紙で残す必要はありません」

 自治体や学校からの紙は、読んで内容を確認したら捨ててしまおう。締め切りがあるものならカレンダーに書いて。

「ゴミ出しシールなどは紙自体が必要で“使う紙”となりますが、情報だけが必要なら、内容をデータ化して紙は処分を」

要・不要を判断する問いかけリスト
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