山本一郎氏に弁護士を紹介してもらう

 もともと滝沢ガレソ氏は「ゲームの攻略情報のまとめアカウントを運営していた」という。

その後、まとめる対象はゲームにとどまらず、社会全体の出来事へと広がっていた。そんな中“暴露系インフルエンサー”に変わっていったのは、ある事件がきっかけだった。

「とあるeスポーツの大手チームが、選手を無給で働かせていたという告発を取りあげたことがありました。複数の証言や証拠が寄せられ、ネットで公開すると大きな反響を呼び、そのチームは事実上の活動停止となりました。

 最近では、熊本のある学校で生徒への体罰問題が浮上し、学校側が会見を開いた後に、“実は監督が裏でこんなことを言っていた”という告発を公開したことも大きな注目を集めました」(滝沢氏)

 “暴露系”をやっていると、訴訟のリスクもかなり高そうだが、そういった面は大丈夫なのだろうか。

「まだ訴えられたことはありませんが、訴訟のための開示請求を受けたことは3回あります。ブロガーの山本一郎さんに弁護士を紹介していただき、開示請求を拒否することができました。

 その後、開示請求は届いていません。訴えると言われたり、開示請求が実際に届いたりする度に僕はその内容をすべてオープンにして“公開添削”を行っていたんですが、最近訴えられないのはそれが原因かもしれません」(滝沢氏)

「正義感は敵」

 滝沢氏は“暴露系”をやるうえで、「正義感を持たないこと」を心がけているという。

「正義感は敵だと思っています。自分を殺し、世間の皆さんが読みたがるニュースかどうか、という軸だけで判断しています。

 “社会を正そう”というより、単に“みんなで盛り上がろう”という気持ちに近いかもしれません。私が何をやりたいかより、皆さんが私に何をやってほしいかを考えています。例えば告発しづらいことを、僕が代わりに告発すると、皆さんが喜んでくれる。それが僕のモチベーションになります」

 つまり、自分自身の正義感に反していたとしても、ウケそうなネタなら暴露するという。

「自分のためにやっているわけじゃなく、むしろ自分を殺してやっている感じ」(滝沢氏)