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ー 豪華ゲストと熱唱した3年ぶりの『はっぴょう会』

 約3年ぶりとなる『草なぎ剛のはっぴょう会2~Neo Vintage~』が、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で8月31日と9月1日に行われた。スペシャルゲストに和田唱(TRICERATOPS)とmiwaを迎えた初日の模様をレポートします!

 3年ぶりの『はっぴょう会』ということもあって、場内は開演前からすでに期待MAX状態。そんな空気の中、客電が落ちてデニムのオーバーオール姿の草なぎが、照れくさそうにゆるゆると現れ、会場は大きな拍手で迎え入れた。

豪華ゲストと熱唱した3年ぶりの『はっぴょう会』

 自分を落ち着かせるように2回ほど肩を上下させた後、「はっぴょう会、3年ぶりの開催です!」とあいさつをして始まったのが、4コードだけで作ったという『はっぴょう会のテーマ』

 2曲目の『オレとヤツのウタ』では、2番の歌詞が飛んだり、コードを間違えたり。でもそこは『はっぴょう会』、ギターを始めて10年の“つよぽんのギターの上達をみんなで見守る”というライブなので、そんなことは想定内。草なぎも演奏が終わると「ボロボロでしたね」と自分から申告して笑いを誘う。

 それから映画『クソ野郎と美しき世界』の撮影中に作ったという『クソ野郎と黄金の右腕』を披露。ステージの奥を覆っていた黒い幕が開き草なぎ画伯の大きな絵が現れるサプライズもあった『Take Me Home, Country Roads』

自画像とのツーショットでギターを弾くつよぽん。ほんのり似てる……?
自画像とのツーショットでギターを弾くつよぽん。ほんのり似てる……?

 そしてクルミちゃんへの愛を綴った『クルミちゃんの唄』を歌い上げ、買ったばかりのギブソンのビンテージギターをかき鳴らしながら『twist, shake』を歌った。そして“明日は必ず来るから焦らず行こう!”と背中を押してくれる『My Standard』など自作の曲を中心に7曲を演奏した。

 その間ずっと、全身でギターを弾く喜びを味わっているような幸せそうな笑顔が印象的だった。「僕、ギターだけはいいの持ってるんですよ」などと自虐も忘れない。

 と、ここからはゲストコーナーへ。最初のスペシャル・ゲストのmiwaとは、偶然にも同じギターだったという「コリングス」のビンテージギターを弾いて『ヒカリへ』をセッションして会場を沸かせた。

 続いてのゲストは、草なぎのギターの師でもある和田唱。今回、音楽監督も務めている和田に「めっちゃ間違えたー!」「悔しい」とステージ上でいきなり反省会

“間違えた、悔しい~”と訴える草彅をなだめる和田。美しい師弟愛!
“間違えた、悔しい~”と訴える草彅をなだめる和田。美しい師弟愛!

 和田からは「これをバネにするしかないよ」「この3年の成長は大きいよ」と励まされて元気を取り戻しつつ、和田が所有しているギターがステージに並べられると、落ち込んだ気持ちは吹っ飛んで、楽器屋さんに来たギター小僧のように瞳を輝かせながらギター愛を爆発させていた。

 そんなふたりのコラボ曲は、和田のソロ曲『シラフの月』。サイドギターでバッキングしながら食らいついていく草なぎの姿は、頼もしくもあった。演奏が終わって笑顔でお互いをたたえ合う姿に、会場からも惜しみない拍手が送られた。

 アンコールではmiwaと和田の3人で。草なぎたっての希望で『Raspberry』を披露。3人で順番にソロを弾いたり、ハモったり、その楽しさは会場全体を包み込んだ。

miwa、和田唱とのセッション終了後、3人は口々に「最高~!」
miwa、和田唱とのセッション終了後、3人は口々に「最高~!」

 そして、最後にサポートメンバーと一緒に、「3年間で唯一できた1曲」という『みち』を演奏して1日目は終了した。

 少年のように純粋でピュアな心を持った草なぎらしさが全面に表れていた『はっぴょう会2』。何よりも本人がいちばん楽しんでいて、その姿を授業参観の親のように見守る客席のあたたかさにつよぽん愛を感じたスペシャルな夜だった。


取材・文/花村扶美