「パパ活」とは?

 そもそも「パパ活」とは、何だろうか。大手メディアは、「デートの見返りに金品をもらう行為」などと曖昧に濁すが、ここ数年のパパ活はほぼ「性行為を伴うもの」である。簡単に言えば、個人間の買売春だ。

パパ活」という言葉は、2010年代に生まれたとされる。SNSや出会い系サイトでの個人売春(サポ活と呼んだ)に押されて愛人や援助交際の斡旋業が低調になるなか、大手交際クラブ(デート倶楽部)がPRのために生み出した言葉だという。必ずしも性的関係を前提としないデートの見返りに、父親ほど年の離れた男性からお小遣いをもらう活動という訳だ。

 大手交際クラブは、時代の変化に対応した軽いニュアンスの新しい言葉で、愛人や援助交際には縁がなかった若い女性を広く呼び込もうとしたのだろう。ネーミングは、欧米ですでに広がっていた「シュガーダディ」という言葉をまねたのかも知れない。

 この「パパ活」は、見事に時代にマッチした。すぐに一般の若いОL、女子大生に広がり出し、2017年には野島伸司の脚本、渡部篤郎、飯豊まりえ主演で、ズバリ『パパ活』というネット配信ドラマまで作られるほどになった。パパ活専用のマッチングアプリも多く登場し、アプリには街中で普通に見かけるような清楚系の女子たちがあふれ出した。

「パパ活」の変貌

 当初はデートが中心だったパパ活は次第に「性行為を伴うもの」になり、これまで悪い遊びなどは縁がなかったであろう若い女性たちが性の対象として消費されるようになった。その傾向が顕著になったのは3年ほど前だ。なかには援助交際やサポ活に慣れた悪い男たちに騙され、ひどい目に遭う女性も現れはじめた。

筆者も、そんな被害に遭った女性たちの話を何度か聞いた。

「性行為はないと思っていたのに『そんなのは当然だ』と説教され、強引にホテルに連れて行かれた」

「6万円もらえると聞いていたのに半分しかくれなかった」

「1か月契約にしたい、後でまとめて振り込むと言われたが、1回関係を持ったら連絡が取れなくなった」などである。

 彼女たちの多くは、家族や職場・学校に知られるのをおそれて泣き寝入りしていた。また、警察に行くと売春行為で逮捕されるのではというおそれも持っていた。女性たちのおそれに付け込む、パパ活慣れした悪い輩はどんどん増えていったのである。