次は「パパ活男」が喰いものにされる番?

 恐ろしいのは、警察沙汰になり報道ベースに上る事件は「氷山のほんの一角に過ぎない」ということだ。きっと我々の知らないところで、多くの若い女性が被害に遭っている。先ほど挙げた以外にも、「お金をくれなかった」「財布を盗まれた」「盗撮されてアダルト動画投稿サイトにアップされた」などの話を聞く。

 注目して欲しいのは、これまで挙げた事件の被害者の多くが女性という点である。池袋パパ活殺人事件の被害者は男性だが、犯人の女には軽度の知的障害があり、元カレにパパ活をさせられ、金を貢がされていた。

 投資詐欺や窃盗、勧誘、ぼったくりなどの被害には男性も多いが、事件やトラブルの被害に遭うのは圧倒的に女性が多い。

 最近はパパ活のお手当(対価の金銭)のデフレが進んできており、ホテルに行って2万円以下というケースもある。そのような状況に付け込んで、安く買いたたくだけでなく、変態的行為を要求されることもある。女性は、パパ活で性的に消費されるだけでなく、たくさん泣かされているのだ。

 このような状況下で、川崎市「パパ活狩り」事件が起こった。

 これまで喰う側だった男が、女性をだしに喰われたのである。どうしても頭に浮かぶのは「懲罰」という2文字だ。

 思い起こせば、1990年代にブルセラブーム、援助交際ブームがあった。女子高生が使用済みの制服や下着、性を売る行為が流行し、社会現象になった。

 現在のパパ活同様、ブームに乗って普通の真面目な女子高生まで参加するようになり、犯罪やトラブルに巻き込まれるケースも多々あった。女子高生を買ったのは、主に中高年男性、いわゆる「おじさん」である。

 この時、少し遅れて「おやじ狩り」ブームが生まれた。「女子高生を買う存在」として中高年男性が不良たちの軽侮の対象になり、「どうせ、パンツ買ってんだろう」「エンコウしてんだろ」などと嘲笑されながら路上で殴られ、金品を奪われる事件が多発した。

「喰うもの」「喰われるもの」が入り乱れ、援助交際の市場は荒れ、次第にブームは去った。「パパ活狩り」の登場は、きっとパパ活ブームの終わりの始まりになるだろう。