最近は、音声SNSでも、正義を振りかざす人が出没する。『クラブハウス』や『スペース』は文字のやりとりではなく、会話で交流する。正義を主張する際には声が大きく、時間を独占しがちになる。

 ある男性は「ジェンダー」をテーマにしたチャットルームを開いた。男女差別の現状のほか、性的指向、性自認といった多様性について語っていた。そんな中、当初は静かに聞いていたユーザーが、途中から声を荒らげたという。

「最初は質問ばかりで、知識を得たいのかな?と思っていました。すると、きっかけはわからないのですが大声で“性別に多様性なんかない。男女だけ”と主張してきて」(ある男性)

 チャットルームでは、同じテーマでじっくり話したいという人だけでなく、討論したいという人がいるのはたしかだ。その場合、一方的に、正義のマウントを取る形になりやすい。

「主張し始めると、こちらの話を聞かず、話が止まりませんでした。その人なりの正義はわかるのですが、チャットルームの趣旨と異なるので、そのことを説明しようとしたのですが、聞く耳を持ちませんでした」(ある男性)

 こうして男は、正義の知識マウントを繰り返した。

 その人なりの正義はあるものだが、押しつけることで相手を傷つける、そこまで押し通す正義はもはや悪でしかないのではないか。

“正義中毒”の人に叩かれた芸能人

あびる優・才賀紀左衛門
テレビ番組での「万引き発言」以来、正義中毒から目をつけられていたあびる優。才賀と離婚し、才賀とその彼女の好感度との比較であびるの好感度が上がる現象に。才賀は度々児童相談所に通報されているという

ベッキー
ゲスの極み乙女のボーカル・川谷絵音との不倫がきっかけで好感度は急落。その後結婚・出産したが、イメージは回復できていない

渡部建(アンジャッシュ)
文春での不倫報道以来、2年ぶりにチバテレビでのレギュラー番組に復帰を果たした渡部。今でも番組や関係者のSNSに渡部へのクレームが送られているという

東出昌大
好感度の高い女優の杏と婚姻中に不倫したことで評価は急落。会見での対応もさらに評価を下げた。地上波復帰への道は遠そう

取材・文/渋井哲也