7月の参議院選挙の街頭演説中、安倍晋三元内閣総理大臣(享年67)が凶弾に倒れて3か月が過ぎた。9月27日には国葬が行われる。

安倍晋三元首相の国葬の是非

国葬にかかる全体の費用の概算について、政府は当初発表した約2億5000万円に加え、警備費や来日する要人の接遇費など14億円あまりがかかるとし、総額で約16億6000万円となる見通しを示しました。

 新聞各紙が行った世論調査では国葬反対が大多数を占めるという事態のため、強行を決定した岸田政権に対するますますの支持率の低下は否めないでしょう」(テレビ局政治部記者)

 反対する人々が挙げているおもな理由は「多額の費用を国費から捻出するということ」と、安倍元総理をはじめとする自民党議員たちの世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりだ。

安倍元総理

 しかし、評論家で徳島文理大学教授の八幡和郎さんは、安倍元総理を「21世紀の初頭の世界で、最高クラスの政治家で長生きしたらノーベル平和賞も確実だった」と断言。「安倍さんの葬儀は国葬に値する」と語る。

対外的にも国葬を行うべきです。安倍さんは外交の名手でした。米国のオバマさんとトランプさんのいずれからも信頼され、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席とも良好だった。

 海外では中露寄りだったインドと日欧米を結びつけたことが世界史的な功績だと評価されています」(八幡さん、以下同)

 官僚出身であり、『歴代総理の通信簿』(PHP研究所)や『日本の総理大臣大全』(プレジデント社)といった、総理を研究した書籍も多数執筆している八幡さんは、実際に安倍元総理を含め何人もの総理経験者や関係者の声をじかに聞いてきた。

「だからといって、私は安倍さんの政策のすべてを支持していたわけではありません。『歴代総理の通信簿』では、当時の第1次安倍内閣を酷評して、安倍さんに直接『たいへん勉強になりました』と苦々しげに言われたこともあるし、アベノミクスについてもマクロ経済政策偏重で全面的には賛成はしていません

 安倍元総理が亡くなる前には、本人に取材をして、安倍元総理の発言として書かない条件で突っ込んだ話を聞いたという。

「そのときの取材では、安倍さんの本音がふんだんに聞けました。亡くなってしまったこともあり、人となりを伝えるためにも開示したいと思います」(八幡さん)

 総理という大役から降りた状態だったからこそ、今後の人生を見据えた話も語ったようだ。なお、八幡さんが見聞きした貴重な体験は、8月に発売された『安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか』(ワニブックス)と名付けた評伝に組み込まれた。

 八幡さんの目を通した「人間・安倍晋三」とは─。