そんなさまざまな努力が実を結んだのが、33歳のとき、ヒロインの夫と浮気する役を演じた『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)。彼女も「怪演」と評された。

 遅咲き女優の場合、こうした「怪演」がブレイクにつながることが多い。長年のくすぶり時代に、売れるためのスキルアップを続け、脇役中心に経験を積み上げたことが、振り切った芝居を悪目立ちせずにできる能力を身に付けさせるのだろう。そのため、彼女たちの多くは「遅咲き」への感謝を口にする。

怪演を機にブレイク、人生経験が武器に

 女優を夢見て上京したものの、いったんあきらめて地元に帰り、24歳で本格デビューした桜井ユキ(35)もそうだ。当初「もう少し早く始めればよかった」と焦りも感じたというが、

「演技は人間力によって培われていくのだと思うようになりました」

 として、デビュー前の人生経験が芝居に活かされていると振り返った。

'19年、ドラマ『東京独身男子』の打ち上げに参加した桜井ユキ
【写真】ブレイク前の松本まりかがあどけない

 また、モデルから転身した吉瀬美智子(47)も「32歳新人女優」という立ち位置のおかげで成功できたという。

「幸い『色っぽい』とか『クール』というイメージを持ってもらえたのもあり、両方持っていることを強みにできるかもと考えました。あれ、このポジション空いてるのかな? だったらここに入ろうって(笑)」

 自分の売りと業界の需要を俯瞰的に見られたのは、キャリアのたまものだろう。

 一方、舞台で経験を積んでからドラマ・映画という映像の世界に進出した吉田羊でも、

「遅咲きであることは、むしろラッキーだったと思うんです」

 と語っている。「オーディションに落ち続け」ても、舞台女優としての自信がある分「次への原動力」にできたというわけだ。

 吉田は数年前、バラエティー番組の『オモクリ監督』(フジテレビ系)でビートたけしと共演。大御所にも動じずに振る舞う姿が、年季を感じさせた。

吉田羊