収入が上がっても生活レベルは上げない

 そして最後の極意は『貯金は割合で決める』ということ。今はまだ20代。今後は年収が増えることも予想されるが、年収が増えても生活レベルを変えるつもりはない。

貯金を金額で決めていると、収入が増えればそれだけ使えるお金も増えてしまいます。すると生活レベルも上がり、計画的な貯金はできない」

 くらまさんがおすすめする貯蓄の割合は最低でも10%。というのも平均的な生涯賃金は2億円といわれ、その10%を貯蓄に回し続ければ、2000万円が貯められるからだ。月収20万円が25万円に増えたとしても、常に10%を貯蓄すれば老後までに2000万円の資金が確保できる計算なのだ。

寝る間を惜しんで働かなくても貯金が増える。「節約は効率的な副業」(『倹者の流儀』より)
寝る間を惜しんで働かなくても貯金が増える。「節約は効率的な副業」(『倹者の流儀』より)
【写真】家計の8割近くを貯蓄に回す、くらまさんの驚きの家計内訳グラフ

 ストイックな節約貯金の極意ばかりだが、くらまさんは挫折したり嫌気がさすことはないのだろうか?

「増えた貯金残高を見るとハイになってやる気が湧いてくるので、やめたいと思ったことはないですね。倹約は、やればすぐに結果に結びつくので、やり始めると面白くなると思います」

 老後資産の目標額といわれる2000万円を達成したくらまさん。もう貯金は十分なのでは?

「少しペースを緩めるかもしれませんが、目標は5000万円なので、もうちょっと頑張ります」とにっこり。夢へと向かう快進撃はまだまだ続きそうだ。

50代からでも老後資金は貯められる! くらま流 節約・貯蓄の極意 一、 100万円貯めると人生が変わる 二、 有り金は使うな 三、 見栄の張り合いに巻き込まれるな 四、 お金=時間=命 五、 お金と向き合うことは人生と向き合うこと 六、 家計簿はお金の健康診断 七、 当たり前のことを当たり前のようにやる 八、 ムダな税金は払うな 九、 借金は死んでもしない 十、 貯金は割合で決める

教えてくれたのは……

くらまさん
節約・貯金情報を配信するYouTubeチャンネル『倹者の流儀』を運営。9月末にはくらま流極意が詰まった『すごい貯蓄 最速で1000万円貯めてFIREも目指せる!』(KADOKAWA)を上梓。

取材・文/樫野早苗