目次
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ー 渡哲也さん(享年78)→松方弘樹さん(享年74) ー 大杉漣さん(享年66)→杉本哲太(57)
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ー 沢尻エリカ(36)→川口春奈(27) ー 広瀬アリス(27)→ 石田ニコル(32)

 香川照之が性加害報道により、出演予定だった10月スタートのTBS系ドラマ『アトムの童』の降板が発表されたのは9月8日。その代役に抜擢されたオダギリジョーは、過去に香川と共演し、プライベートでも親しいこともあって急きょ代役を引き受けたという。これまでも映画ドラマ。舞台などではさまざまな理由で降板・代役騒動が起きてきた。そんな悲喜こもごもを振り返ってみると─。

渡哲也さん(享年78)→松方弘樹さん(享年74)

(左から)渡哲也さん、松方弘樹さん
(左から)渡哲也さん、松方弘樹さん

 カラーテレビの普及で、庶民の娯楽が映画からテレビに移行しつつあった'70年代。映画会社に所属し“銀幕のスター”と呼ばれる俳優たちは岐路に立たされていた。

「渡哲也さんも'64年に日活のお抱えスターとしてデビューしましたが、当時の映画業界は作品数の減少が続く時代。結局'71年に日活を退社し、テレビでの活動も模索しだしました」(スポーツ紙記者)

 そんな中、'74年放送のNHK大河ドラマ『勝海舟』での主演抜擢は渡さんにとってまたとないチャンス。魂のこもった演技で評判も上々だったが……。

「渡さんが撮影中に熱が下がらない状態に陥って降板が決定。すぐさま制作陣は代役を探し、周囲の推薦で選ばれたのが'73年の『仁義なき戦い』シリーズで活躍していた松方弘樹さんだったんです」(同・スポーツ紙記者)

 オファーを引き受けた松方さんは10話から勝海舟役として登場。最終回の52話まで完走した。

 生前の松方さんにインタビューしているコラムニストのペリー荻野さんは、当時の彼の心境を聞き出している。

「松方さんは“てっちゃん(渡さん)と俺は同じ映画出身でテレビへの移行に苦労を味わった者同士、さぞ悔しかったと思う。頼まれたときは絶対引き受けなければと思った”と語っていました。強い男気を感じさせましたよ」

 その後、長らく演者として活躍した2人も、松方さんは'17年に脳リンパ腫で、渡さんも'20年に肺炎のため死去。今ごろ天国で芝居談議をしているに違いない。

大杉漣さん(享年66)→杉本哲太(57)

(左から)大杉漣さん、杉本哲太
(左から)大杉漣さん、杉本哲太

「テレビ朝日系の『相棒』シリーズに準レギュラーで出演中の大杉漣さんにインタビューをしたことがあります。その際“昔は怖い役ばっかり演じていたが、最近は面白い親父役が多くなった。『相棒』で久しぶりにシリアスな役を演じることができて楽しい”と語っていたのが印象的ですね」(ペリー荻野さん)

 名脇役として知られる大杉さんは、このドラマでは権力に固執し主人公側を追い詰める警視庁副総監役を好演。強い意気込みで臨んでいたさなかに悲劇が起きてしまう。

「'18年2月21日に急性心不全のため死去。この3週間後に放送される『相棒シーズン16』の最終回スペシャルに出演予定でした。まだ大杉さんの撮影が一部残っていたため制作側は対応に追われたんです」(前出・スポーツ紙記者)

 この緊急事態に駆けつけたのが杉本哲太だった。

「大杉さんのシーンを杉本さんで撮り直すことで無事放送となりました。大杉さんの演技を踏襲するように杉本さんが演じたことも話題になりましたね」(同・スポーツ紙記者)

 強面の役者として知られていた杉本だが、近年は大杉さんのように芸の幅を見せてくれている。

「現在放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では源行家という、戦に負けてばかりの少し抜けた武将を演じていました。大杉さんに通じるような不思議な愛嬌を感じます」(ペリー荻野さん)

 コメディーからシリアスまで演じきるという大杉の役者としての矜持は、杉本の中にも受け継がれているようだ。