配属された郡山駐屯地の部隊で上官や先輩からセクハラを受け続けた
配属された郡山駐屯地の部隊で上官や先輩からセクハラを受け続けた
【写真】「オオカミになるから覚悟しとけ」と言われた女性の先輩自衛官は…

「口止めがあったと思います。まずは内部での聞き取りの上、自衛隊の秩序を守る部署である『警務隊』に問題があがりました。

 警務隊は『強制わいせつ』で書類送検をしてくれたので、私はそのまま検察庁に被害届けを出し、それが受理され、審議となりました」

 しかし、検察庁の回答は厳しかった。

「検察庁では“五ノ井さんの証言は真実だと思うけれども、目撃者全員が見ていないと証言する中、あなたの話だけでは信用できない”と言われました。

 結局、検察庁は不起訴と判断したので、今は異議申し立てをして結果待ちです。でも、やはり不起訴は変わらない可能性もあるので、自分からとにかく発信しようと思ったんです。

 現在所属している人たちはもちろんですが、今までのセクハラで辞めてしまった人の想いも汲んでほしい。現在、過去含めて再調査をしてほしいというのが私の願いです」 

◆   ◆   ◆

 取材当時、五ノ井さんが所属していた郡山駐屯地に問い合わせると、

「今回の件の再調査を行っています。具体的な進捗や予定については答えられないが、加害者とされる者には再度、事実確認を行っている」

 とのことだった。

 あれから3か月、五ノ井さんの勇気ある行動が国を動かしたのだ。