「日本の音楽産業が衰退する」

 長年の闘争を繰り広げて来た著作権料問題。教師と生徒の演奏から著作権料を徴収しようとしていたJASRACにとっては事実上“敗北”となるが……。

 この結果に、SNS上では「銭ゲバすぎる」といった声のほかに、

「当たり前。司法はまともな判決をしたね。JASRACはえげつなく儲けようなどと考えるべきでは無い」

音楽教室のビジネスが教えてナンボの世界であり、楽曲そのものは単なるツールに過ぎない。そこまで著作権料をむしり取ろうとするのは権利の逸脱ではないかと思う」

「生徒たちの中には将来、音楽の道へ進む子もいるはず。彼らから使用料を徴収することは、音楽振興の立場に反すると思う」

「講師が著作権料を支払わなければならないのなら、その費用が生徒の授業料にプラスされ値上がりするだろう。結果、日本の音楽産業は衰退の一途を辿っていくことになると思う」

 と賛否両論。JASRACの無慈悲に著作権料を徴収しようとする体質に困惑の声もあがっている。

 JASRACは過去にも、BGMを利用する美容室などの店舗に対して全国一斉に法的措置を行うなど「著作権の保護」に力を注いでいたようだ。さらに、バンドの生演奏やカラオケ楽曲の無断利用で著作権を侵害したとする飲食店に対し、約480万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたこともあった。

 事業目的のなかに「音楽文化の発展に寄与すること」を掲げているJASRAC。世間の目からはそのようには映っていなかったようだ──。