ここからは、高崎さん厳選の10か所を見ていこう。

高崎さんの写真が「映えスポット」にも!

 '93年の清水寺はキャンペーンの原点。

「清水寺」'93年秋。(キャッチコピー、以下同)“パリやロスにちょっと詳しいより、京都にうんと詳しいほうがかっこいいかもしれないな。”
「清水寺」'93年秋。(キャッチコピー、以下同)“パリやロスにちょっと詳しいより、京都にうんと詳しいほうがかっこいいかもしれないな。”
【写真】ぜったい京都に行きたくなる!高橋さんが30年撮り続けた「京都の秋」

「急に決まったので準備期間がなくて。実はこれ、夏に撮っているんです。清水寺の夕暮れは秋っぽいでしょ?(笑)。逆に今秋の神護寺は、3年前に撮影したもの。コロナ禍で2年間、キャンペーンを中止していたので、やっと出すことができました」

 '97年の東福寺、この1枚は特に有名だ。

「東福寺」'97年秋。“六百年前、桜を全部、切りました。春より秋を選んだお寺です。”
「東福寺」'97年秋。“六百年前、桜を全部、切りました。春より秋を選んだお寺です。”

実はこれ、3台のカメラで同時撮影をし、3枚の写真を柱の部分でつなげているんですよ。だから両脇が変形していない。当時はまだデジタルではなく、フィルムを使っていました」

 '99年の法然院は、

「手前の白砂壇と紅葉のコントラストが魅力的。個人的に好きですね。 '96年の高桐院は、庭全体に広がる落ち紅葉がとても美しい。'17年の東寺は夜のライトアップ中に。五重塔のスケール感&池の両側の紅葉。この景色は東寺にしかないですね

 '04年はライトアップされた清水寺。

「奥の院から撮っています。あんまり左側を入れてしまうと、京都の街の看板が写ってしまうので、ギリギリを狙って。三重塔のトップが見えるように意識しました」

「清水寺」'04年秋。“清水さんも、ちょっと夜更かしする。それが秋なんですね。”
「清水寺」'04年秋。“清水さんも、ちょっと夜更かしする。それが秋なんですね。”

 その後、奥の院からの清水の舞台を狙う人が急増。今も変わらぬ人気フォトスポットだ。'14年の源光庵は、丸窓“悟りの窓”と角窓“迷いの窓”がキャンペーンでより有名に。また'07年の大覚寺の撮影で、高崎さんは携帯電話を落として非常に困ったと苦笑い。

「まだ暗い拝観時間前からスタンバイし、日が出たら一気に撮りました。やっぱり、この青空は日中じゃないと。醍醐寺('01年)は桜で有名ですが、桜は外側。中の紅葉もいいんです。これはイントレ(組み立て式の足場)の上から撮っています。

 みなさん、スマホで紅葉を撮影される際は、自分の目線だけじゃなく、高くあげてみたり、下におろしたりして撮ってみると、きっと魅力的な1枚になると思いますよ