圧迫骨折を予防する方法

 発表のとおり、“一般的に”3か月かかるのは間違いではない。しかし……。

「腰椎を横からみたときに、缶詰部分がぺしゃんこに潰れてしまったようなケースは、神経を圧迫し、麻痺が起こることもあります。そこまでの状態になるかどうかは怪我の要因、年齢、骨粗鬆症の進行具合などで変わります」

 年齢以外に圧迫骨折に至りやすい人はいるのか。

「人間の身体は骨や関節だけで支えられているのではなく、骨がバラバラにならないようにじん帯が間を繋ぐように存在し、その回りを筋肉が守っています。そのため筋肉が弱い人も骨折を起こしやすいといえます」

 松本は、昨年にも自宅でストレッチをした際、圧迫骨折している。このとき骨折したのは胸椎(腰椎の上に並んでいる胸部の骨)だった。

「特に女性の場合は、閉経後・更年期以降女性ホルモンが減ることで骨粗鬆症が進行しやすい。そのため骨折が非常に起こりやすくなります」

 避けようのない事故はしょうがないとしても、圧迫骨折を“予防”するには?

「普段、慣れていない動きを急にしないことです。年を重ねても日ごろからテニスをやっているという人が、テニスで怪我をするといったことはあまりないと思います。しかし、慣れていない動きや、突然どこかから飛び降りたりすれば事情が違ってきます。

“落とし穴に落ちる”ということは、慣れていない動きの極端な例といえるでしょう。タレントさんでも高いところから飛び降りる、落とされるなんてことは、日頃は行わない動作です。身体を鍛え筋肉で身体を守れている若い人でもないと許される動きではないでしょう

 圧迫骨折に限らないが、タレントが番組収録で骨折してしまうというケースはあまりに多い。松本のほかに、ゆうちゃみ『サバイバル水鉄砲!一撃』(日本テレビ系)、ロッチの中岡創一『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、ジェラードンのアタック西本『アメトーーク!』(テレビ朝日系)、武田真治『新しいカギ』(フジテレビ)と、今年に入って明らかにされているだけで5件。

もちろん各番組がスタッフらによる“安全確認”を行っているだろうが、多すぎる数字といえよう。制作側は、事故を事故で終わらせてはいけないのではないだろうか。