話題作がランク外&次の期待作は?

 一方、木村拓哉の『未来への10カウント』、竹内涼真の『六本木クラス』、松本潤の『となりのチカラ』(いずれもテレビ朝日系)など人気俳優主演で話題を呼んだドラマがランク外に。

木村拓哉が主演のドラマ『未来への10カウント』(公式HPより)
木村拓哉が主演のドラマ『未来への10カウント』(公式HPより)
【写真】2022年“推し”ドラマ大賞が決定!TOP10をランキングでチェック!

 木村拓哉は『教場』で高評価を得た若者への指南役というポジションだったが、「キムタクの恋愛パートがいらなかった」(大阪府・48歳)という声もあり、中途半端に主役感を出したのが仇となったか。

『六本木クラス』に関しては韓国版の出来が良すぎ、「どうしても比べてしまう」(神奈川県・29歳)との意見が多く、票が伸びなかった。そんな今年のドラマをカトリーヌさんに総括してもらうと……。

「恋愛ドラマの原点回帰と配信の普及による視聴者の見方の変化という転換期が’22年で、それを象徴するドラマが『silent』だったんじゃないでしょうか。

 視聴率はそれほどでもないのにあんなに話題になるというのは、ドラマ視聴が新たなフェーズに入ったという証明ですよね。ドラマの在り方が大きく変化することで、今までの『広くあまねく』から『届く人に深く』へと作り手の意識も変わっていくような気がします」

 年が明けて’23年。1月クールは復権を果たした恋愛ドラマに注目とカトリーヌさん。

「『星降る夜に』(テレビ朝日系)の大石静さん、『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)の北川悦吏子さん、『100万回言えばよかった』(TBS系)の安達奈緒子さんと恋愛ドラマの神様みたいな脚本家がそろい踏み。

『星降る夜に』は北村匠海さんが聴覚障害とまさかの『silent』とのネタかぶり(笑)。『夕暮れ~』は広瀬すずさんが恋愛ヒロインをどう演じるのか。

『100万回~』はヒロイン(井上真央)の亡くなった夫(佐藤健)が幽霊となって……というファンタジー要素あり。彼女たちが新時代のラブストーリーをどう描いていくのかにはすごく興味が湧き、注目したいと思います」

2022年『“推し”ドラマ大賞』TOP10

1位 鎌倉殿の13人  137票
2位 ミステリと言う勿れ  129票
3位 silent  102票
4位 孤独のグルメ  73票
5位 カムカムエヴリバディ  60票
6位 クロサギ  56票
7位 マイファミリー  49票
8位 妻、小学生になる。  48票
9位 ちむどんどん  43票
10位 家政夫のミタゾノ  40票

カトリーヌあやこ●漫画家、ドラマウォッチャー。『週刊ザテレビジョン』にてイラストコラム「すちゃらかTV!」、『週刊朝日』にて「てれてれテレビ」を連載

(取材・文/蒔田陽平)