気をつけていれば外食はラーメンもOK!

 大柳さんのコレステロール値に異常はないが、閉経後に上がる人が多いことからサラダ油やオリーブ油などの「液体の油」はほとんどとらない。

「脂質は魚や大豆、ゴマ、かぼちゃの種、クルミなどから摂取するように。今までとは“油の質”を変えて悪玉コレステロールを増やさないように気をつけています」

 これは加齢とともに減る体内の消化酵素や、抗酸化力のためでもあると話す。

「脂っこい食事は消化にパワーを使うので、消化に優しい和食が自然と増えました。この1〜2年は大好きなアルコールも断酒日を設けたりして、自然と飲む量を減らせるようになりましたね」

 その反面、外食するときは制限を設けていない。

「私は熊本県出身なのですが、東京にある熊本ラーメンの店には定期的に足が向きます(笑)。平日の食事に気をつけている分、たまの外食は気にせずに楽しみます」

 生活改善のおかげか、動悸に襲われることもなく、現在はすこぶる快調だ。

趣味のピアノをリラックス習慣に

 更年期の対処法として、自分が心地よくなるような、リラックスできる習慣も大切だという。

「40代はちょうど仕事がいちばん忙しく、プライベートでは子どもが思春期だったのでストレスも大きかった。そこで、コロナ禍にヨガスタジオをやめたあと、ピアノを習い始めました。更年期を越えてシニアになったとき、楽しめる趣味があることは、健康増進にも効果があるといわれています」

 昨年は発表会にも初参加。2年間練習してきたショパンの曲を発表会で弾いた。今は新しい曲に挑戦中だ。

「45歳のときの不調は、ストレスフルな生活を見直せという身体からのサイン。気づいたからこそ、更年期を自覚してムリせずに過ごせてきたのかもしれません」

大柳さんの朝食例

 おおやなぎたまみ ●料理家。管理栄養士。おいしく続けられる糖質制限食の情報やレシピを発信。クリニックにて栄養指導も行う。近著に『腸からきれいにヤセる! グルテンフリー・レシピ』(青春出版社)など。

〈取材・文/宇野美貴子〉