ウィリアム皇太子とその妻キャサリン妃は自分たち夫妻を受け入れなかった

 キャサリン妃はメーガン妃をライバル視し、冷たい態度を見せた。

父の妻カミラ王妃

 父に対して、兄とともにカミラと結婚しないでほしいと懇願したが、父は受け入れなかった。メーガン妃と自分に対するネガティブな報道の情報源となったのはカミラ妃の側近だった。

麻薬の吸引

 17歳でコカインを吸引した。

初体験は年上の女性だった

 17歳で、あるパブの裏手にある野原で年上女性と初体験。女性は馬好きで彼を「若い種馬のように」扱った。素早い性交渉の後で、女性はヘンリー王子の「尻を叩いた」。

アフガニスタンで25人殺害した

 王室の伝統として軍務に就いたヘンリー王子は、アフガニスタンに派遣され、攻撃ヘリコプター「アパッチ」の操縦士になった。この時、当時は反政府勢力だったタリバンの掃討作戦に従事し、「25人を殺害した」。当時はタリバンを人とは思わず、「チェスの駒」を盤上から取るような感覚で排除した。「後悔していない」。

そこまで明らかにする必要があったのか

 ここに挙げた数々の暴露を読んで、皆さんはどう思われただろうか。

 自伝の中で、ヘンリー王子は母ダイアナ妃の事故死によって精神的なダメージを受け、長年のトラウマになってきたこと、家族である王室からメーガン妃や自分に対して十分な支援がなかったこと、そしてメーガン妃と自分を「悪役」として描く、プライバシーを侵害するイギリスの大衆紙メディアへの怒りをあらわにしている。

「トラウマ」「家族からの支援の欠如」「プライバシー侵害」「ネガティブなメディア報道」を「王室の現状」とともに「自分の言葉で、正直に語りたかった」というヘンリー王子の主張には理解できる部分があるにしても、初体験で「尻を叩かれた」ことまで明らかにする必要があったのだろうか。また、戦場で殺戮は現実としても、数を特定する、あるいは「チェスの駒」という表現は配慮に欠けているのではないかという見方も出ている。

 ヘンリー王子メーガン妃は、今アメリカ在住だ。

 暴露劇の激震が始まったのは、2020年1月。2018年に結婚した2人は、「シニア王族」としての公務を大幅に減らす、とソーシャルメディア上で発表した。王室への事前の通知はなかったという。

 緊急家族会議が開かれ、エリザベス女王(2022年9月、死去)が引導を渡した。2020年3月一杯で王子夫妻は公務から一切引退する、という決定を下したのである。その後、夫妻はアメリカに移住した。