『スマホで年賀状』はイメージキャラクターに安達祐実を起用し、SNSではインフルエンサーを使って広告を大々的に打つなど、サービスの普及に努めてきたが、今回の騒動で“もう2度と使わない”と心に決めたユーザーも少なくないだろう。

これまでにもあったトラブル

 さらに、『スマホで年賀状』にまつわるトラブルは過去にも度々報告されていたという。具体的な例としては、

・自分宛に年賀状のテスト送付したら、送られてきたのは他人の年賀状だった。自分の分は別のユーザーに送られてしまい、回収を依頼したが連絡が取れなくなってしまった

・履歴には確かに1枚送付したと残っているのに、相手側からは同じ年賀状が複数枚届いたと言われた

・お試しサービスで自分宛の年賀状を作成したら、宛名面は自分のものだが、裏側に他人の写真と個人情報が記載された年賀状が送られてきた。自分の指定した写真は他人に送られてしまい、運営に苦情を申し立てたが、“無料のサービスだから”と何の保証もしてもらえなかった

 など、個人情報の取り扱いに致命的な欠陥を疑うようなミスばかりだ。

「今回の騒動への対応のなかでも、メールが届いて初めて自分がトラブルの対象者であることを知るユーザーも少なくなく、騒動への謝罪もホームページやアプリ上で告知するだけで、大々的な謝罪が十分だとは言えません。親会社の『MIXI』は上場企業ですから、社会的責任を果たす必要があるのではないでしょうか」(同・ITジャーナリスト)

 運営会社に今回の件について問い合わせたところ、

「今回の件に関するご指摘を重く受け止めております。今後もサービス運用の継続に向けて、お客様からの信頼回復に努めて参ります」

 とのことだった。

 年賀状文化の衰退に拍車をかける、なんて本末転倒にならないといいが……。

本来の印刷と不具合の印刷の見本(『スマホで年賀状』HPより)
本来の印刷と不具合の印刷の見本(『スマホで年賀状』HPより)
【写真】実際に届いた「差出人不明」の年賀状