効率的に栄養を取るには鍋料理、食事と一緒にお茶を飲まないこと!

おすすめ食材をまとめて具材にした鍋は、水分に溶け出す栄養素もとれ、身体も温める理想の料理
おすすめ食材をまとめて具材にした鍋は、水分に溶け出す栄養素もとれ、身体も温める理想の料理
【画像】不足しがちなビタミンを多く含む“食材”ランキング

 これらの栄養不足を解消するために、冬場に積極的にとりたい、おすすめ食材の1位は豚肉。ビタミンB群が豊富に含まれているからだ。ほかにも、さまざまな栄養素を効率的にとる方法として、松村先生がおすすめするのが鍋料理。

 ビタミンCが豊富な白菜や、ヘム鉄やビタミンB群を含む赤身の豚肉、ビタミンDの含有量が多い鮭やきのこ類を具材にしてみよう。

「シメはマグネシウム豊富な玄米の雑炊などもいいですね。ビタミンCが溶けだした汁もいただきましょう」

 50代以降は、冬場に限らず栄養不足の傾向があると松村先生は指摘する。

「この年代は徐々に食事の量が減り、肉類を食べなくなります。そうすると肉に豊富なビタミンB群やヘム鉄のほか、タンパク質とカロリーが足りなくなります」

 また、加齢にともない噛む力が弱くなることも、実は栄養不足に直結する。

「食べ物は噛んで細かく砕かれた後、胃酸によって、タンパク質はアミノ酸、でんぷん質はブドウ糖といった形により小さく分解されて小腸で吸収されます。咀嚼が不足していると食べ物の分解が十分にされず、例えばタンパク質がそのままの形で小腸へ届くようなケースが起きてしまう。そうなると栄養の消化吸収が不十分になるうえ、分解されない栄養素が悪玉菌のエサとなって腸内環境が悪化。さらに消化吸収率が落ちる悪循環を引き起こします」

 吸収力アップには、よく噛むこと、さらに胃液を薄めないため、食事は、なるべくお茶などドリンク類と一緒にとらないことが大切だ。もちろん汁物などはご飯時に必須という人もいるだろうが、あまりがぶ飲みしないことがポイントになる。

 冷え込みが厳しい2月。松村先生は「しっかり体温を保つことも大切」と話す。身体が温まっていれば、必要なエネルギー量が少なくなり、栄養素が多く消費されることもない。

 特に不足しがちな5大栄養素をよく噛んでとり、身体を温かく保つ。少し意識して口内炎や頭痛、肌あれ、メンタルの落ち込みまで、冬の不調とまるっとサヨナラしよう。