「個人撮影会からアイドルが生まれる時代!」

 子どもに撮影会のモデルをさせている親はどのように考えているのだろうか。SNS上で4歳の娘にTバックをはかせた写真を公開していたアカウントに連絡をとった。Tバックの他にも水あめのようなものを舐めさせているもの、上半身裸でビニールプールに入っているものなどがあり、リプ欄にはロリコンと思わしき男性からの卑猥なメッセージも届いている。DMを送ったところ、母親を名乗る女性が電話取材に応じた。

──なぜこのような写真を公開するのか、個人撮影会や動画販売をしているのか。

「女の子って小さいころ“かわいい”って褒められた数だけかわいくなるんですよ。アイドルだってみんなそう。カメラマンから“かわいいよ、かわいいよ”って言われてかわいくなっている。娘は赤ちゃんのころからテレビっ子で、うたのおねえさんに憧れていました。だから夢を手助けしているんです」

──撮影会にわいせつ目的で来ている中高年が多いように思えるが。

「そういう人もいるかもしれないけど、私が見守っていますから。タッチ禁止ですし。娘はいつも“楽しかった、またやりたい”と言っています」

──それはまだ状況がわからないからじゃないですか? 大人になってからどう思うと考えていますか?

「感謝してくれると思いますよ。もともと個人撮影会をしていた子がその後、有名グループのアイドルになったりします。今は個人撮影会からアイドルが生まれる時代なんです。娘の夢を叶えるのが親の仕事でしょう」

 夢を叶えるといいながら、1回30分、1人5000円を徴収しているのが気になった。

──撮影会の参加費用は1回5000円ですよね?

「それは取りますよ。無料で大切な娘を撮らせるはずがない」

──そのお金は何に使っているのですか?

「娘のために使っていますよ」

──Tバックをはかせる必要はありますか?

「4歳だからまだ卑猥なものにならない。これが小学生になったら私だってはかせませんよ」

 最後まで会話はかみ合うことなく、約束していた時間が過ぎた。

 10歳に満たない児童が、どのように撮影会を認識しているのか。多くは親の主導で参加しており、本人の意思であることはほとんどない。人気のためには、リクエストに応える必要があり、性的にも見えるポーズを要求する撮影者はゼロではない。

 見て見ぬふりをする親もいる。そのため、何かしらのルールづくりが必要になる。

(取材・文/渋井哲也)