澤井:どのように増やしていく狙いなんですか?

宮本:さっきも野球離れの理由として、監督が怖いということを言ったじゃないですか。いまだに少年野球チームの試合を見ていると、男性で高圧的な態度の監督を見かけるんですよね。椅子にふんぞり返って、子供がミスすると『オラぁー!』って感じで叱る監督が……。おいおい辞めてくれよと(苦笑)。

 そこで一度、妻に自分の野球の知識を伝えて、『(宮本が運営を務める)少年野球の指導を手伝ってくれないか』とお願いしたんです。そしたら『ボールを捕るときはグローブを鰐さんの口のようにして~』など優しく指導してくれて好評だったんですよ。今では娘も指導を手伝ってくれています。

 同じように女子の野球経験者を増やし、最終的に少年野球チームの指導者として面倒を見てくれたら、野球界全体の人口底上げに直結すると感じたんです。個人的に小学校3年生の低学年までは、僕は女性の指導者が見るべきだなと。その第一歩として、女子野球チームを設立したんです。

今年の巨人軍の注目ポイント

澤井:それは斬新な考え方ですね! しかも実際に奥さんと娘さんの裏付けもあるわけですもんね(笑)

宮本そうそう! そのためには女子チームをプロ化して収益化することが必要不可欠だね。現在は試合の入場料も取っていませんが、ゆくゆくはスポンサー契約やグッズ販売を手がけて、選手のために利益を出していかないといけない。あくまでも理想ですが、年収3000万円の選手が出てくるぐらいの規模に持っていきたいですね。

澤井:壮大な計画ですね。実は僕も1歳半の娘がいて、もし野球をやりたいと言ったら宮本さんの元でお世話になります!

宮本:もちろん、ぜひやってよ。僕も親御さんからそう言われることがすごく多くてね。夢のステージを作り上げていくことが僕のミッションだから。

澤井最後にジャイアンツの今年の展望を聞きたいです!

宮本:おーそうだね。まあ今からネガティブなことを言ってもしょうがないからな(昨シーズンはセ・リーグ4位)。個人的にはようやく若手や中堅が育ってきたなという感覚ですね。投手陣も菅野(智之)と戸郷(翔征)に、外国人のグリフィンとビーディがいるでしょ。

 あの4人が先発の柱になると思うので、そこが崩れなければある程度優勝争いができると思うんです。若手でいうと船追(大雅)は、魔の8回に入ってくれそうで楽しみですね。やはり1年間戦うには投手陣がしっかりしていないとダメなので、今後は中継ぎの層を厚くしていくことが大事でしょうね。打者だと、坂本(勇人)と岡本(和真)が状態をキープしてくれたら。ルーキーだと門脇(誠)に期待していますよ。

澤井:チームの雰囲気としてはどうですか?

宮本(阿部)慎之助がヘッドコーチになったでしょ。他のコーチ陣は川相(昌弘)とか元木(大介)とか、みんな年上なんだよね。そうした中で慎之助がどうやってまとめていくかは見ものだね。組織のトップとしてどうまとめていくか。この辺りも注目ですね。

澤井:監督やコーチ陣も豪華ですもんね。僕も幼少期からずっとジャイアンツを追いかけていたので、当時現役の選手が教える側に回るとしみじみします! 今日はありがとうございました!

宮本:ありがとうございました!

聞き手・澤井直人(さわい・なおと) 1990年生。テレビの放送作家として活動。まつもtoなかい(フジテレビ) ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ(フジテレビ)NEOべしゃり博(フジテレビ)タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!(テレビ東京)ダウンタウン vs Z世代 ヤバイ昭和 あり?なし?(日本テレビ) サウナノフタリ(YouTube)コブクロ公式チャンネル (YouTube)などを担当。