医療機関のHPに載っている情報は正しい

 日常で知りたいこと、わからないことがあれば、すぐにインターネットで検索する人が多いと思いますが、医学に関しては注意が必要です。というのも、ネットやSNSは、医学情報に関するデマやインチキが広まりやすい空間だからです。

 ましてがんの場合、情報によっては人の生死を左右しかねません。くれぐれも慎重な判断が求められます。

 ある研究報告によると、日本語版のヤフーやグーグルで「肺がん」を検索すると、正しい情報にたどりつける確率は50%にも満たなかったのです。

 特にクリニック、医療関係の民間業者、個人ブログなどが発信した情報は、上位にヒットしてくる情報の信頼度が0%という無残な結果でした。かたや米国の同じ検索エンジンでは、80%前後の確率で正しい情報にたどりつけました。

 これは少し古いデータで、現在は多少改善されているかもしれませんが、まだまだ規制が甘いのが現状です。くれぐれも、検索結果の上位にあるから、また医療機関のホームページに載っているからといって情報を鵜呑みにしないようにしてください。

ネット情報には怪しいものも多いので要注意 ※画像はイメージです
ネット情報には怪しいものも多いので要注意 ※画像はイメージです
【写真】大腸がん検査は2種類、それぞれのメリット・デメリット

実例コラム:「30歳女性、会社員のAさん」

 検査を受けたら予想外の負担が……。

 線虫検査を受けたきっかけは会社の健診。会社が契約している検査のため受けたら、なんと、がんリスクが高いという判定が。

 健診医に「なんのがんかは特定できないがリスクが高いからすぐに病院へ」と言われて、慌ててがん専門のクリニックに駆け込んだ。

「とにかく不安なので全身を調べてほしいと先生に訴えました。ところが、線虫検査は未承認なので今後の検査もすべて自費診療になると知らされてぼうぜん……」

 納得がいかずいったんは帰宅したが、後日、人間ドックを受けにクリニックを再訪。胃カメラ、大腸内視鏡検査、腫瘍マーカーを含む血液検査、腹部エコー、乳腺エコー、甲状腺エコーなどをやってもらい、結果はすべて異常なし。

「本当にホッとしました。一度は全身を診てほしかったのでいい機会になったとはいえ、線虫検査で悪い結果が出てからの約1か月は不安でいっぱいでした。

 会社が契約している検査なので疑っていませんでしたが、今では線虫検査ってうさんくさいなと思っています」