「当該会社の事業活動を支配・管理」その言葉が示すもの

 そこで新会社について調べると、『TOBE』設立と同日に『TOBE MUSIC』をひっそり立ち上げていた。『TOBE』はマネージメントがメインで、『MUSIC』は音楽制作や著作権管理などがメインになると見られる。

 この2社の会社登記をよく見ると、他の芸能事務所ではあまり見かけない記載がある。レイ法律事務所の河西邦剛弁護士が解説する。

滝沢さんの会社でいちばん特徴的なのは、会社の目的の1番目に《次の事業を営む会社の株式を所有することにより、当該会社の事業活動を支配・管理すること》と明記されていることです。大手芸能事務所の登記でも、“次の事業を営む会社の株式を所有する”とか“支配管理する”という表現を使っている事務所はほとんど見たことがありません

 これが意味することとは……。

目的欄には、《アーティスト、音楽家及びタレントの養成、マネージメント及びプロモート》、《芸能人、タレント、俳優、歌手等のファンクラブの運営》などの24項目と、それらの《各事業を営む企業に対する投資》という表記もあります。今後、どなたかが合流したときにその人を社長とした別のマネージメント会社を立ち上げ、その会社を支援することによって、滝沢さんが会長のような立場で事業展開していくことをイメージされているんだろうなと思いました。そういう“親会社”のようなイメージだと、この表記がすごくしっくりくるんですよね。いわゆる“ホールディングス”みたいなことで、今後、グループ会社が増えていくことを想定しているのではないでしょうか」(河西弁護士)

 5月2日での退所を発表した三宅健の合流もSNSで囁かれる中、退所予定のジャニーズJr.の『IMPACTors』のメンバーは、周囲にこう漏らしていて……。

堂々と滝沢さんのところに行くと角が立つから、表向きは個人事務所を作って、裏では滝沢さんに面倒を見てもらう予定だと話していました」(メンバーの知人)

滝沢が命名したジャニーズJr.『IMPACTors』は、グループ全員での退所を予定している(公式サイトより)
滝沢が命名したジャニーズJr.『IMPACTors』は、グループ全員での退所を予定している(公式サイトより)
【写真】「尊い…」ファンが歓喜した滝沢秀明&三宅健のTwitterでのやりとり

《タッキーが作り出すエンターテイメントに期待とワクワクが止まらないです》

 などと、SNSでは『TOBE』の今後を応援する声が多く寄せられているが……。

「タイミングや発表の仕方が完璧で用意周到なので、世間からジャニーズ事務所へヘイトが向くよう計算したのかなと。ジャニーズ事務所から見たら、滝沢さんは“裸の王様”だったかもしれませんが、その滝沢さんに立場を逆転されないよう、危惧するべきでしょう」(芸能プロ関係者)

河西邦剛 レイ法律事務所の弁護士として、芸能・エンターテインメント分野および、刑事分野の統括責任者を務める。メディアにも数多く出演し、講演やセミナー等も行っている

霜田明寛 文化系WEBマガジン『チェリー』編集長。ジャニーズに造詣が深く、テレビやラジオにも多数出演している。'19年には『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)を刊行