3月14日からNetflixで配信が開始された、有吉弘行がアシスタントを務める番組『名アシスト有吉』が話題を集めている。

「アンミカさんやフワちゃんなどバラエティーでお馴染みのタレントから、GENERATIONSや呂布カルマといったアーティストまで、幅広いジャンルのメンバーがMCを務める10本の番組で有吉さんがアシスタントを務めて盛り上げるという内容です。配信限定とあり爆破など、現在は地上波で出来なくなった過激な演出が見られるのも見どころ。日本テレビが制作し、『有吉の壁』で知られる橋本和明プロデューサーが手掛けています」(テレビ誌編集者)

 昨年12月にサーピスを開始した『DMM TV』では、元テレビ東京の佐久間宣行プロデューサーによるコント番組『インシデンツ』や『水曜日のダウンタウン』の藤井健太郎プロデューサーのロケバラエティー『大脱出』の配信がスタートするなど、有名プロデューサーによる配信バラエティーが増加中だ。

 そんな配信バラエティーにおいて、ある疑問が浮上している。

「『名アシスト有吉』や『インシデンツ』、『大脱出』は多くの芸人が出演しているにも関わらず、吉本芸人が1人も出ていないんですよ。Netflixでは千鳥さんの番組『トークサバイバー!』があったり、アマゾンプライムビデオでは松本人志さんの『ドキュメンタル』などもあるので、配信番組自体がNGではないはずなのですが………」(お笑いライター)

 3番組に吉本芸人が出演していない理由を制作会社関係者はこう指摘する。

「以前、吉本の芸人に配信番組のオファーをしたところ“配信のアーカイブを3か月以上残す場合、別途ギャラが発生する”と提示されました。千鳥さんや松本さんのように吉本芸人がメインの配信番組は制作にも吉本が関わっていますが、吉本が制作に関わっていない番組への出演は、別途ギャラが発生するシステムで対応しているようですね」

 吉本に限らず、大手芸能事務所はネットメディアの仕事に対して慎重なケースが多いという。

「多くのタレントが参入しているYouTubeも、老舗事務所ほどNGにしているケースが多いですね。ネットメディアはギャラもマチマチですし、影響力なども未知数のため、上層部がなかなかOKしないようです」(広告代理店関係者)

 4月下旬にアマゾンプライムビデオで配信予定の『風雲!たけし城』には、渡辺直美が出演しているが……。

「吉本が制作に関わっていない番組とあり、最初は吉本も難色を示していたそうです。しかし海外でも人気の高い番組とあり、世界的に知名度のある渡辺さんをどうしても出演させたかったTBSサイドが交渉を続けた結果、“レジェンドであるたけしさんの番組なら”と、特例でOKが出たと聞いています」(TBS関係者)

 DMM TVに、配信中の2作品に吉本芸人が出演していない理由を問い合わせたところ、

「現在配信している2作品については、各企画に合わせて検討をした結果のキャスティングとなっております。今後のオリジナル作品についても同様に、企画に応じてキャスティングを行ってまいります」

 とのことだった。Netflixは期日までに返答がなかった。

 すっかり定着した配信番組だが、地上波のように事務所の垣根を越えたキャスティングが実現するのはしばらく先になりそうだ。