目次
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ー 美食旅の弊害とは!?
Page 2
ー 師匠からの“巣立ち”を意識した舞台
Page 3
ー テレビではできないことをYouTubeで!

「自分でもまさかこんなに続くとは思ってもみませんでした。奥さんにも“よく25年もったよね”と言われます(笑)」

 昨年3月、25年間レギュラーを務めた情報番組『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)を卒業したラッシャー板前(59)。初出演は1997年4月で、以来土曜朝の顔としてお茶の間の人気を集めてきた。実は当初はピンチヒッターでの登板で、レギュラー入りの予定はなかったと明かす。

美食旅の弊害とは!?

「僕の前にレギュラーを務めていたのが軍団の松尾伴内さん。あるとき松尾さんが舞台出演で番組をお休みすることになり、代役に僕を指名してくれて。食リポを伴うロケが多いのですが、もともと彼は海産物が苦手で、“ラッシャーなら好き嫌いなく何でもおいしく食べられるから”と。最初、自分は代役だからと自由に楽しくやっていて、それがよかったみたいです(笑)」

 ラッシャーの出番は生中継のコーナーで、アナウンサーと共に地元の生産者を訪ね、その土地の名物を紹介していく。人気番組の生放送に緊張する出演者も多いが、ラッシャー流の気配りで場を和ませてきた。例えば素人にはあえて台本を渡さず、素の言葉を引き出す、というのもそのひとつ。

「一言一句、台本に書かれたとおり言おうとすると、やっぱり緊張しますよね。そういうときは“台本は気にせず、僕とアナウンサーさんの質問にだけ答えるようにしてください”と伝えます。ご自分の言葉で話してもらうと、地元の方言が出たり予想外の展開になって面白いんです」

 総出演数は1000回以上。全国各地を旅して回り、25年間で47都道府県を制覇した。番組で出会った各地の美食のなかで、とりわけ印象に残っている逸品はというと?

「福井県の若狭かれい! 身が透き通っていて、卵を持っているからピンク色に染まっている。肉厚の身に切れ目を入れて、七輪で焼いて熱々を食べるともう、凝縮された旨みがあふれてきて。あと最高だなと思ったのが、青森の八戸前沖さば。

 極寒の海で育っているから脂ののりが完璧なんです。カニやマツタケは美味しくて当たり前だけど、かれいとさばは正直ナメてかかっていたから驚いた。あまりに美味しくて感動しましたね」

 さすが25年のキャリアで、グルメの紹介となると描写も鮮やか。いまやご当地グルメの名リポーターとして誰もが認めるところだが、美食の旅には弊害もあるそうで─。

「25年で尿酸値がぐっと上がって、8以上で通風というところ、10を超えちゃいました。これからも旅に行って好きなものを食べられるよう、朝晩欠かさず薬を飲んでます(笑)」