同じ年収では「今より貧しくなる」

 給与明細の“10年後”はどうなっていると思うか。

「10年後、年収は変わらなくても手取りが減るのは100%です。具体的には毎年給与から天引きされている社会保険料が上がっていきますし、物価や消費税が今後も上がるのはこれまでの歴史を見れば間違いありません。つまり、10年後に今と同じ年収では使えるお金は今よりも少なくなります。そのため、今は“普通の生活”が出来ている年収400万円や年収500万円の人が貧乏になると考えられます。

 年収が高い人と年収が低い人の二極化というのは今と変わらないと思いますが、年収が高い人も年収が低い人も今より貧しくなるのは間違いありません。このアカウントを10年後もやっていたら、10年前はこんなにも手取りがあって、今を恵まれた時代と若い人に言われるんじゃないですかね(笑)

 さまざまな分野・事象で語られる「昔は良かった」という言葉。未来から見たら“今”は恵まれているのか。もし結果として今が恵まれているなら、それは決して幸せなことではない。

 社会や経済が変わってくれるのを待つか、給与を自身の手で変えるか……。


 4月6日時点の給与明細の買い取り数、及び年収の内訳は以下。

年収200万円台…52人
年収300万円台…86人
年収400万円台…109人
年収500万円台…56人
年収600万円台…46人
年収700万円台…21人
年収800万円台…29人
年収900万円台…12人
年収1000万円以上…56人
年収1億円以上…2人

 このうち『給与明細買取屋さん』運営者の特に印象に残った給与明細、その理由は以下となっている。

『大手悪徳接骨院グループの柔道整復師くん』

大手悪徳接骨院グループの柔道整復師くん(給与明細買取屋さんのTwitterより)
大手悪徳接骨院グループの柔道整復師くん(給与明細買取屋さんのTwitterより)
【写真】『給与明細買取屋さん』が買い取った明細の数々

「グループでやっている整骨院の多くの会社が詐欺行為をしているということがわかったので勉強になりました。健康保険が適用できるのは受傷機転が明確な外傷(骨折、脱臼、捻挫、打撲など)なのですが、健康保険が適用できない肩こりや腰痛でも受傷機転をでっちあげてレセプトを作成して健康保険を適用する詐欺行為をしています」(『給与明細買取屋さん』運営者、以下同)

『ゆるふわ外資ITでマーケティングしてる1日3時間労働男』

ゆるふわ外資ITでマーケティングしてる1日3時間労働男(給与明細買取屋さんのTwitterより)
ゆるふわ外資ITでマーケティングしてる1日3時間労働男(給与明細買取屋さんのTwitterより)

「ビジネス英語がしゃべれるとこんなにも良い待遇で働くことができるという一例なのですが、英語を話せるようになるために、1人で『HUB』に行き、日本人女性をナンパしてる外国人男性をナンパして英語の勉強をしていたという話は勉強になりました。行動力さえあればお酒代だけで英会話の授業を受けることが出来ます」

『10億円での会社売却提案を断ったホワイト企業の代表取締役』

10億円での会社売却提案を断ったホワイト企業の代表取締役(給与明細買取屋さんTwitterより)
10億円での会社売却提案を断ったホワイト企業の代表取締役(給与明細買取屋さんTwitterより)

「富裕層なのですが、プライベートカンパニーの活用や節税などあの手この手でお金を守ることができる富裕層からお金を奪う方法を教えてくれたから勉強になりました。奪う方法は法人税の納付額、寄付、設備投資に対する税額の軽減とのことです」