このところ外食チェーンで、客による「迷惑行為」が頻発している。回転寿司チェーンのしょうゆ差しをなめる行為などが有名だが、つまようじをめぐるトラブルも起きている。また数年前には、コンビニでの「おでんツンツン男」が疑問視された。

 社会問題化している中での山添さんの行為に、SNS上では非難の声が相次ぐほか、韓国メディアも「日本の有名お笑い芸人、ソウルの市場で迷惑行為……ツバの付いたようじで売り物をパクリ」(朝鮮日報日本語版、3日配信)のように伝えている。

 反響を受けて、5日の放送では、田村アナが謝罪し、店舗へ直接わびたと明かした。関係者に加え、視聴者にも「不快な思いをさせてしまった」と、おわびしたものの、バッシングはおさまらない。

 8日には、翌日放送予定だった「韓国旅」の続編を見送ると発表し、もう1人のMCである川島さんが、謝罪とともに「また心から皆さんに笑ってもらえる番組づくりを目指す」とコメントした。

認知度を高めたコーナーとキーパーソン

 山添つまようじ騒動は、「だれが謝罪するべきなのか」や「制作陣のVTRチェック体制」など多くの論点があるが、ネットメディア編集者として約10年、炎上事案を見てきた筆者は、「これまで『炎上』をコントロールできていたゆえの失敗」とのポイントから考えたい。

 平日8時台のTBSは、2014年の「はなまるマーケット」終了以降、ワイドショー色の強い番組が続いていたが、視聴率は上向かなかった。そこへ時事ネタを捨てて切り込んだのが「ラヴィット!」だ。

 開始半年後には、同局の人気番組「水曜日のダウンタウン」が、「ラヴィット!」に対してドッキリ企画を実施。人気芸人が別室でつくった大喜利回答を、スタジオ共演者に気づかれないように、タレント・あのさん(通称あのちゃん)が代理で答えるというもので、生活習慣の異なる視聴者層にも認知度を高めた。

 これに加えて、確固たる地位を築き上げたのは、間違いなくSNS、とくにツイッターの効果が大きいだろう。原動力は、視聴者へのプレゼント企画だ。応募ツイートには、出演者が発表するキーワードを書き添える必要があるのだが、それが日を追うごとに「大喜利コーナー」に変わっていった。