晩節を汚してしまった「スッキリ」

 くしくもライバル番組だった「スッキリ」(日本テレビ系、今春終了)は、最終回直前の炎上で晩節を汚したのは記憶に新しい。

 動物園「那須どうぶつ王国」とスタジオをつないだ3月24日の生中継で、ペンギン池へ「オードリー」春日俊彰さんが複数回落下。あおるような発言をしたMCの「極楽とんぼ」加藤浩次さんにも批判が続出した。

 この際、那須どうぶつ王国は放送当日、抗議文をツイートし、日本テレビも謝罪文を「スッキリ」公式サイトに即日掲載した。土日をはさんで、週明け27日の「スッキリ」では、改めて加藤さんらMCがおわびし、同日中に日テレ・石澤顕社長も定例会見で謝罪した。

 春日さんサイドから発言がなかったため、山添さん同様に「本人が謝罪すべき」との声が連日増していたが、那須どうぶつ王国は後日(4月4日)、中継の翌々日に春日さん本人も、スッキリ制作責任者とともに来園のうえ謝罪していたと明かしている。

 炎上の経緯や笑いを起こそうとした背景、抗議の有無など多くの点で異なるため、これら2ケースを単純比較することはできないが、このような事案が長く続いた番組の「晩節を汚す」ものになることもあるのだ。

「つまようじ食レポ」放送から1週間。ゴールデンウィークをはさんだが、その炎上はとどまるところを知らない。山添さんの動向はもちろんながら、いかにTBSが誠意ある対応をできるかに、「ラヴィット!」の未来が「明るい」かどうかが、かかっている。


城戸 譲(きど・ゆずる)Yuzuru Kido
ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。