英語で受賞スピーチを

 日本ハムに入団後も、栗山英樹監督が読書家だったこともあり、本を読む習慣は続いた。

「日本ハム時代を過ごした寮の部屋は本であふれていました。パナソニック創業者の松下幸之助さんも読んでいた、中村天風さんの『運命を拓く』や、アメリカの医学博士で心理学者のスペンサー・ジョンソンさんの『チーズはどこへ消えた?』、アメリカの実業家で“鉄鋼王”と呼ばれたアンドリュー・カーネギーさんの『富の福音』などが愛読書だったようです」

(左)大谷翔平が読んだ、中村天風の『運命を拓く』(講談社文庫)、(右)スペンサー・ジョンソンの『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社)
(左)大谷翔平が読んだ、中村天風の『運命を拓く』(講談社文庫)、(右)スペンサー・ジョンソンの『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社)
【写真】WBC白井コーチが大谷翔平に猛プッシュする“フリー”の長女

 多くの本に触れ、勉強しているのには理由がある。

「物事にはさまざまな角度からの捉え方があるので、本をたくさん読んで、多くの考え方に触れ、自分の進む方向を決めるというのが大谷選手の思考のようです。別の捉え方ができなくなってしまうからと座右の銘は持たないようにしているみたいです」

 日本では勉学も怠らなかった大谷。活躍の場をアメリカに移した今、気になるのはその英語力だ。

「取材の際は基本的に水原通訳がついています。ですが、たまに英語でのインタビューを受けることも。簡単なやりとりでしたが、しっかり受け答えしていました。また、 '22年にアメリカのスポーツ専門のテレビ局が主催するスポーツ界全体の年間表彰である『ESPY賞』で、『男性最優秀選手賞』と『MLB最優秀選手賞』を受賞した際にはビデオメッセージで英語の受賞スピーチを披露していました」(現地メディア関係者、以下同)

現地局主催の賞を受賞し、大谷翔平はビデオメッセージにて英語でスピーチをした(TSN公式ツイッターより)
現地局主催の賞を受賞し、大谷翔平はビデオメッセージにて英語でスピーチをした(TSN公式ツイッターより)

 WBCでの取材では通訳の通訳になったことも。

「アメリカで行われたメキシコ戦の後に、英語でのインタビューを受けました。日本がサヨナラ勝ちをした直後で、球場はまだざわついている状況ということもあり、隣にいた水原通訳が質問を聞き直しましたが、大谷選手は聞こえていたようで、質問を日本語で水原通訳に伝え、そのまま日本語で答えるということが起きていました」

 ほかの選手とは英語でコミュニケーションをとっているよう。

「チームメートとは、ベンチなどでもよく談笑しています。ほかのチームの選手ともヒットを打ったあとなどに、ベースのところで少し会話をしてよく笑っていますね」