大谷がメジャー挑戦前に設立した会社は、未来への布石なのか。現地で取材する、スポーツライターの梅田香子さんが語る。

もともとアメリカ志向が強かったので、日本人選手にメジャーでの経験を伝えたり、アメリカで成功するためのサポートをする、ということは十分考えられますね。指導者の道に興味はありそうですが、それで生計を立てていこうという気持ちはないでしょう。大谷選手は莫大な稼ぎがありながら、お金を使うことに興味がないようですから、引退後もお金に困ることはないと思いますよ」

結婚は「引退後」

 メジャーでは、選手の年金制度や、契約金を引退後に分割で受け取る仕組みなどがあり、金銭面でのサポートが充実している。そのため、生活費を稼ぐために奔走する必要はあまりないそう。

イチローさんや松井秀喜さんのように、所属した球団に携わりながら、ときどき日本に帰ってきて野球を教える、ということはあるかもしれません。現役時代に比べれば、引退後の生活はどうしても暇になってしまいますから、悠々自適に暮らしている人が多いんです」(梅田さん、以下同)

 また、日本人メジャーリーガーたちは、アメリカのグリーンカード(永住権)を取得して、引退後もアメリカに住み続けている人がほとんど。

「アメリカで子どもが生まれるなどの家族の事情もありますし、日本だとプライベートが制限されてしまいますから。大谷選手もそのままアメリカで生活して、仕事のときだけ日本に戻ってくる、という生活になるかもしれません。ダルビッシュ有さんは子どものことを考えたら日本には帰れない、なんて話していました。松井さんもアメリカで2人の子どもを育てていますが、すごくいいお父さんだと聞いていますよ」

 前出の、大谷の会社の監査役を務める男性は次のように話していた。

松井秀喜さんは引退後に子どもをもうけましたが、大谷さんも結婚したり子どもが生まれたりするのは引退してからでしょう。彼にはやりたいことがあるから、女性に興味がない。いつまでも野球に向かってまっすぐな点は、すごいと思います」

 野球選手として伝説を築いたあとの、取締役・大谷翔平の敏腕に期待したい!

梅田香子 スポーツライターとして、野球以外にもフィギュアスケートやバスケットボールなど多くのスポーツに精通。現在はアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う