「裏からコソコソと…」

 しかし、自民党内部ではこんな声も上がっているよう。

「木原さんは取材を避けるため、裏からコソコソと官邸に出入りしているようだが、事実無根と言うなら表に立って説明するべき。そういった声は野党だけでなく、自民党内部でも上がっている。次の衆院選への影響も囁かれるが、テレビのワイドショーで取り上げられないため、国民の多くは“疑惑”を知らないのでは。そのため報道が沈静化すれば、影響はそう大きくないかもしれない。内閣改造で木原さんを外す話もあるが、どうか……」(自民党関係者)

 つまり、権力を恣意的に利用した“疑惑”を追及する声がやめば、適正な説明がされぬまま木原氏が権力の中枢に居座り続ける可能性がある。木原氏はすでに1か月、公の場に姿を現していない。

7月20日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた安田種雄さんの父親
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【写真】木原誠二官房副長官と石原伸晃氏との親密写真

 これまで数々のスクープでテレビのワイドショーをにぎわせてきた“文春砲”だが、木原氏の疑惑についてはどこも取り上げない。どうしてか。民放報道記者に話を聞くと、

「殺人などの強行犯の事件は、警察の捜査情報を基に報じている。そのため警察が逮捕したというお墨付きの事実がなければ、大々的に扱えない。ウチも以前、この疑惑について警察幹部に取材をしたようだが“事件化はしない”と言われたそう。さらに今回、警察庁長官も“事件性はない”と言うなら、それ以上は踏み込めない。殺人も絡む疑惑だけに、ワイドショーでコメンテーターが誤ったことを話せば一大事。名誉毀損で済む話ではない

 そしてこんなことを明かす。

「木原氏の妻が警察の捜査を受けていたことは、かなり前から記者の間で噂になっていた。文春も1年ほど前から水面下で動いていたようだ。報道に携わる立場として追及したい思いはあるが……」(同・民放報道記者)

 木原氏が公の場で説明する日は来るのか─。