公私共に「ミニ紳助」

 例えば、2011年、島田紳助が暴力団関係者との親密交際によって、電撃的に引退した。芸能界にとっても大きなターニングポイントで、多くの芸能人が反社会的勢力との関係について見直したはずだ。

 もちろん、宮迫もそうだったのだろうが、根本的には変えられなかったのだろう。その理由はおそらく、彼が紳助に憧れ、可愛がられ、公私共にミニ紳助みたいなところもあったからだ。

 '17年の不倫騒動では「本当に真っ白ですか」と聞かれ「オフホワイトです」と回答。不倫への風当たりが強いなか、紳助がやりそうな切り返しでうまく乗り切った。

 ただ、乗り切れたことがかえって災いしたのかもしれない。スタンスを修正できなかった彼は闇営業問題によって「オフホワイト」から「オフブラック」な芸人と化してしまった。

 厄介なのは、地上波のテレビに出られないことで、黒っぽい部分がますます目立つようになってきていることだ。前出の「金塊強盗」発言にしても、彼からそれを引き出したのはヤクザから格闘家、作家となった瓜田純士。「アウトローのカリスマ」と呼ばれる人だ。

 また、焼き肉店を共同経営するはずだったユーチューバーとモメたり、動画配信について木下隆行(TKO)らとチームを作る動きも見せている。地上波のテレビに出ていたころはさまざまな人と共演していたので、黒っぽさが薄まり、それこそ「オフホワイト」でいられたが、今は波長の合う人としかつるまないため「オフブラック」化が進んでしまったともいえる。

 それはたぶん、本人的にも不本意なはず。ちなみに、闇営業問題で吉本をすぐクビになった入江慎也(カラテカ)はその後、清掃会社の経営者に転身したが、宮迫は「オフホワイト」だった芸人時代にまだまだ未練がありそうだ。

 そんなわけで、彼は今後も4年前のことを蒸し返し、修正する試みを繰り返していくのかもしれない。終わりのないタイムリープのように。

ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。