金銭問題以外で、結婚にメリットがあると感じるのは、不安の強い女性ではないでしょうか。紙一枚の単なる契約であっても、やはり法的な効力は大きいもの。人にどう見られているかが気になるとか、さみしがりの人にとっては、そう簡単に離れらない結婚と言うシステムは意味があるのだと思います。

プライベートのビジネス化の極みが“結婚”

 考えてみると、うのは一時テレビに出まくっていたわりに、代表作が何かわからない不思議なタレントです。歌手でも女優でもなく、大人向け女性誌の専属モデルだったわけでもない。バラドルとして芸人と渡り合ってきたかというと、それもまた違う。彼女の主戦場はワイドショーで、美川憲一など濃いご意見番と絡みつつ、自身の恋愛ネタで話題を提供してきたのです。

 つまり、交遊(プライベート)をビジネスに変えて、芸能界を生き残ってきたとも言えるわけで、プライベートのビジネス化の極みが結婚なのではないでしょうか。誰と付き合えば、自分にメリットがあるかを冷静にかぎ分け、強気な言動で芸能界を渡っていきながら、一般人には想像のつかない孤独や不安に打ち震えることもある。この矛盾が神田うのの最大の魅力なのかもしれません。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」