それでも深掘りすることなく形式的な報道にとどめる各社だったが、特別チームによる調査報告書の発表、社長の退任論、そして「マスメディアの沈黙」を指摘されると、手のひらを返すように冒頭のコメントを発表したのだった。

「被害者を登場させて20分間にわたって特集する番組もあれば、トピックス扱いで終了する番組も見受けられるなど、まだ各局の対応はまばら。それでも日テレの『ミヤネ屋』は特に深く切り込み、宮根誠司さんも忖度なく意見を述べていましたね。

 先の『24時間テレビ』を含めてジャニーズタレントの露出が多い同局ですが、今後は方向転換を図っていくのではないでしょうか」(前出・芸能リポーター)

危惧されるタレントの“降板ラッシュ”

 ジャニー喜多川氏と姉・メリー喜多川氏が築き、テレビ局に与える影響力も大きかったジャニーズ事務所。そんな帝国も、当のジャニー氏によって崩壊危機に直面している今、各局にとっても大きな転換期を迎えるのかもしれない。

「ジャニーズとの関係を見直す声も大きくなってはいます」とは、キー局情報番組の制作ディレクター。

「ジャニーズを起用すれば視聴率がとれる時代も今は昔。社内では、変わらずジャニーズタレントの起用を推し進める上層部や編成担当がいる一方で、制作現場では“距離をとっていくべき”との変革の声も大きくなってきています

 発表されるであろう新社長の動向如何では、今後は新規キャスティングが見送られる、また既存番組からの降板ラッシュが起きる可能性も考えられる。その際に真っ先にメスが入るのは、ニュースや情報番組に携わる“ジャニーズキャスター”だと思います」

 5月14日にジュリー社長が顔出し謝罪した後、世間の関心が集まる中で『news zero』(日本テレビ系)に出演するも、2週にわたって言及を避けた嵐・櫻井翔キャスター。

 同じく『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日系)に出演するTOKIO・城島茂、『シューイチ』(日本テレビ系)のKAT-TUN・中丸雄一も番組内で口を閉ざした。

 ようやく口火を切ったのが、『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)メインキャスターを務める東山紀之。5月21日の放送で謝罪の言葉を述べると、「最年長の私が口を開くべき」と経緯を明かし、ダンマリを決め込んでいた後輩たちを庇ってみせた。