目次
Page 1
ー 多くの女性が悩んでいる「変形性股関節症」
Page 2
ー 股関節痛を放置すると健康寿命が短くなる!? ー 股関節症の進行と重症度
Page 3
ー 変形性股関節症の治療で快適な生活を取り戻す!
Page 4
ー 高平先生が考案!『3Dジグリング』

 自由に立ち、座り、そして歩くために重要な“股関節”。

多くの女性が悩んでいる「変形性股関節症」

「股関節は、ボールのような形をしている大腿骨の先端『大腿骨頭(だいたいこっとう)』が、骨盤にあるお椀形のへこみ部分『寛骨臼(かんこつきゅう)』にすっぽりはまり込む構造をしています。

 重い上半身を支えながら、前後左右に動いて“歩く”という動作を可能にする関節です。つまり、人間が二足歩行をするために欠かせない器官なのです」

 そう話すのは、股関節専門医の高平尚伸先生。

 股関節は通常、大腿骨頭と寛骨臼の表面を関節軟骨が覆い、骨同士がぶつかるのを防いでくれる。しかし、関節軟骨がすり減って変形すると「変形性股関節症」を発症する。

股関節の構造イメージ
股関節の構造イメージ

「股関節の骨が変形するだけでなく、痛みを伴うのが『変形性股関節症』の特徴です。加齢や激しいスポーツで軟骨がすり減って発症する人もいますが、『寛骨臼形成不全』といって、もともと股関節の形に異常があるケースが約8割です」(高平先生、以下同)

 これは、生まれつき寛骨臼の“くぼみ”が浅く、大腿骨頭がすっぽりはまり込んでいない状態。かぶりが浅いと股関節に強い負荷がかかるので、軟骨のすり減りも進行しやすい。

 この寛骨臼形成不全は女性に多く、変形性股関節症の発症率も男性の約5倍にのぼる。

「女性のライフステージの変化も股関節痛と深く関わっています。妊娠中は体重が一気に増え、出産後も子どもを抱っこするなど、股関節に負担がかかる。

 40代から50代、子育てが一段落したあたりに痛みが強くなり、病院に行って変形性股関節症が判明するという人も多いですね」