《医師が教える“肝臓”の守り方Q＆A》「太りにくいお酒はある？」年末年始シーズンに備える健康長寿のカギ

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【写真】日本酒とハイボール、血糖値が上がりにくいのは？

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浅部伸一先生●医学博士、消化器病専門医、肝臓専門医。東京大学医学部卒業後、病院勤務などを経て、製薬会社に移り、新薬開発などに携わる。現在は、アシュラスメディカル株式会社所属。肝臓やお酒に関する記事執筆、講演を行うなど幅広く活躍。

葉石かおりさん●酒ジャーナリスト。ラジオリポーター、女性週刊誌の記者を経て、エッセイストに。「酒と心身の健康」「酒と料理のペアリング」をテーマに、各自治体や企業において講演を行うなど幅広く活躍。

日本酒とハイボール

「人生100年時代といわれる現在、肝臓を健康に保つことが、酒ライフを長く楽しむコツ」

　と言うのは、肝臓専門医で自身もお酒が大好きな浅部伸一先生。

「飲酒」だけではなく生命を維持する「肝」の臓

「肝臓は、糖質・脂質・タンパク質の代謝、アルコールをはじめとする体内の有害物質の解毒、胆汁の生成・貯蔵といった三大機能を持ち、摂取した栄養をエネルギーにかえる役割を担っています。まさに肝臓は“身体の化学工場”。

　さらに肝臓は、腸から入る細菌や異物を処理する“免疫の門番”としても働き、有害物質が体内を巡るのを防いでいます」（浅部先生、以下同）

　つまり、肝臓は“お酒を分解する臓器”なだけでなく、身体を正常に保つために欠かせない「肝」となる臓器ということ。

　浅部先生によると、「肝臓を守ることは、全身の臓器、脳、血管の維持につながる」という。この大事な臓器の肝臓、具体的にはどう守ったらいいのだろう？

「肝臓を病気にしないことに尽きます。特に脂肪肝に注意しましょう。食事など生活習慣を整え、肥満を予防し、定期健診で脂肪肝チェックの三大要素となる中性脂肪、血圧、血糖値の推移を見ることが重要です。

　お酒を飲むなとは言いません。お酒にはリスクがあると理解した上で、自分にとっての適量、限界を意識して飲むようにしましょう」

上手に飲んで、目指せ！「100年肝臓」

　“沈黙の臓器”と呼ばれる肝臓は、たまの深酒や二日酔いを許容してくれるけなげな存在。だからこそ惰性で飲んだり、ただ酔うために飲んだりせず、優しくいたわってあげることが大切なのだ。

「肝臓は比較的丈夫な臓器。丁寧にケアをしてあげれば飲酒寿命を延ばすことができます。最後まで働いてくれる『100年肝臓』も夢ではないのです」

　お酒を飲む機会が増える年末年始こそ、肝臓ケアの始めどき。「100年肝臓」で一生、健康的に飲める身体を手に入れよう。