タンパク質が豊富な食事と8時間以上の睡眠が大切

 成長ホルモンの分泌には、運動以外に食事や睡眠も大きく関係している。

「食事でまず欠かせないのはタンパク質です。これは軟骨芽細胞の材料にもなります。この細胞が増殖するのは成長期までといわれていますが、タンパク質には代謝機能を高めたり、ホルモン機能を調整する働きもあります。

 タンパク質の摂取量に比例して身長が高くなるというデータもあります。成長ホルモンの分泌を促す亜鉛も積極的にとりたい食材です」

 亜鉛は牡蠣などの魚介類、豚レバーなどの肉類、切り干し大根、枝豆などに豊富だ。

 日本人は骨といえば「カルシウム=牛乳」と考えがちだが、カルシウムは骨を丈夫にする材料にすぎない。

「もちろん栄養価の高いものではありますが、日本人の3人に2人は、牛乳に含まれる乳糖が消化できない『乳糖不耐症』といわれていますし、牛乳にこだわる必要はありません。特に子どもの場合は牛乳でお腹がいっぱいになり、ほかのものが食べられなくなったら本末転倒です」

 また、寝ている間に成長ホルモンの分泌がもっとも増えるので、身長を伸ばすためにも最低8時間は睡眠時間を確保したいところだ。ちなみに前出の大谷選手は雑誌の取材で「小学生のころは毎日、夜9時から朝7時まで寝ていた」と語っている。

「毎朝、決まった時間に起きて朝日を浴びるといいですよ。夕食を食べすぎて満腹で眠ると、成長ホルモンの分泌が悪くなるので注意しましょう。安眠を妨げるパソコンやスマホなどの使用は就寝時間の3時間前にはやめましょう」

 “若返りホルモン”とも呼ばれる成長ホルモン。年をとっても今の身長を維持するためにも、日々の過ごし方にひと工夫してみてはいかが。

大人でも身長が伸びる理由
ホルモンや血液の循環がよく、骨が大きくなった
○成長ホルモンの分泌で、骨の細胞が増殖
○ゆがみや骨格がリセットされ、本来の身長に