このように、著名人の顔写真を加工してSNSにアップするのは法的に問題ないのか。

 弁護士法人・響の古藤由佳弁護士に聞いてみた。

著作権侵害に問われる可能性

『AIイヤーブック』で変身したMatt。ラグビー部風の姿も爽やかだ(公式インスタグラムより)
『AIイヤーブック』で変身したMatt。ラグビー部風の姿も爽やかだ(公式インスタグラムより)
【写真】学生や不良、バンドマン風までAI加工された大谷翔平、ほかMattらの仰天変身姿

「著名人の画像のもととなる写真を、写真の加工者自身が撮影した場合は、何の問題もありません。

 写真を加工した人以外の人が撮った写真なのであれば、その写真は撮影者や著名人の所属事務所の著作物であり、第三者に著作権があります。

 したがって、許可なく当該写真を加工することは、著作権侵害になる可能性があります」

 著作権侵害をした場合の罰則は重く、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、または懲役刑と罰金が併科される。また、肖像権以外にも罪に問われることがあるそうで……。

著名人の肖像権を侵害したり、加工の態様によっては、著名人に対する名誉毀損罪・侮辱罪が成立する可能性があります。

 大谷翔平選手に関する加工画像について言えば、名誉毀損・侮辱に当たりませんが、付け加えられたコメントなど、画像加工の態様によっては、刑事責任を問われることになります

 みだりに加工したりせず、そのままを“推し”たほうがよさそうだ。

古藤由佳 弁護士
弁護士法人・響。「難しい法律の世界をやさしく、わかりやすく」をモットーに、消費者トラブルや借金・交通事故・離婚・相続・労働問題など民事案件を主に扱う。FM NACK5『島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などテレビ・新聞・雑誌等メディア出演も多数