食費も助かりお小遣いにも

「こうした体験農園は農具の貸し出しがあり、手ぶらで行けるのがメリット。お試し栽培や、自然体験をしたいといったレジャー感覚で始められます。

 いっぽう市民農園は自治体や農協などから土地を借りて行うもので、主に自治体が管理しています。年間契約で1~2月のみ募集しているところが多く、基本的に指導員は不在。

 月額料金が安く、畑の広さも選びやすくて自由に野菜を育てられます。それぞれに特徴があるので、自分に合ったところを選ぶのがいいですね」

 とアドバイスするのは株式会社農協観光・地域共創事業部の石井唯之さん。農家の働き手を増やす事業に関わっており、多くの就農希望者に就農情報を提供している。

 ちなみに、農園での収穫物を販売するのは可能?

「自宅の軒先で自分が作った野菜を売るのは農薬の使用に関する法律を守ることが前提となりますが、OKです。思いのほかたくさん収穫できた野菜を自由に売れます。

 ご自身の敷地内で簡易的な小屋を設置した無人販売などでも。路上や店舗で販売したい場合は、行政や民間などその場所を管理している機関への申請が必要です」(石井さん、以下同)

 販売して稼ぐなら、立地や商品の量にもよるが、例えば100円の作物を1日で50個販売すれば、15万円/月(年間180万円)ほどの収入が得られる。

 一見、よさそうにもみえるが、肥料などのコスト、労働時間を考えると大きな収益は期待しないほうがよいと石井さんは指摘する。

 天候や栽培技量などにより計画どおりの収量を見込むのは難しく、害虫被害や盗難などのリスクもある。

「家庭菜園の野菜などはインターネットでの販売も可能です。ただ、あくまで個人取引ですから、鮮度が命の野菜は発送方法などがきちんとできないと当然クレームにつながる。それぞれの野菜に合った方法を調べて、迅速に行う必要はあるでしょう」

 ちなみに、農薬を使わずに育てた野菜を許可なく“有機野菜”として販売することは法律で禁じられているので注意が必要。

 有機野菜として販売したい場合は、認証機関の許可を受けるか、JASが認可している方法で生産しなければならない。

農業に興味がある人はここをチェック!

●週末農業体験

 全国農業体験農園協会/サポート付き貸し農園 シェア畑

●週末農業アルバイト

 デイワーク/バイトル/農業ジョブ

●農業を学ぶ

 農業大学校/AFJ日本農業経営大学校

●就農の相談・情報収集

 全国新規就農相談センター/新・農業人フェア/マイナビ農業