もう会見はやめたほうがいい

 また、9月7日の会見直後に、ジュリー氏がハワイに行っていたと「週刊文春」が報じたことで、「バカンスなんていいご身分だ」と思う人もいたでしょうし、今回の会見を欠席したことで「ハワイには行けるのに、記者会見は無理ってどういうことだ」と矛盾が出てきてしまいます。こうなると「情に訴える作戦」として成立しませんし、かといって、10代の頃から芸能界にいる東山・イノッチは経営のシロウトですから、経営者として大ナタを振るうような決断が今すぐできるとは思えない。記者会見をすればするほど、ボロが出てきて収拾がつかなくなってしまうので、もう会見はやめていいのではないでしょうか。

 それにしても、なぜリストが流出するという考えられないミスがあったのだろうと思わずにはいられないのですが、もしかすると変わったのはマスコミなのかもしれません。これまではジャニーズ事務所やその息のかかった人が詰めの甘いことをやらかしても、忖度して報じてこなかっただけのことではないでしょうか。しかし、今はNHKをはじめとしたマスコミが「ウチは関係ありませんよ?」とばかりに、ジャニーズ事務所の非を報じることで、自分たちの正当性を主張しているようにも見えてきます。社会的に影響力のある人の不祥事が数字を取る“強い者イジメ”の時代、東山・イノッチは絶好のターゲットとなっています。しかし、彼らに謝罪を求めるのなら、ジャニーズを肥え太らせた側に総括を求めることも忘れてはいけないと思うのです。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」