1年間も放送された、まさに紀行番組の“元祖”の『兼高かおる世界の旅』。その内容は本にもなった
1年間も放送された、まさに紀行番組の“元祖”の『兼高かおる世界の旅』。その内容は本にもなった
【写真】復活してほしい教養報道番組ランキングや兼高さんの秘蔵写真も

「宮川泰さん作曲の爽やかなテーマソングと、司会者がカメラに向かって『ズーム……インッ!』と言うかけ声、各地域をテンポよくリレー中継していく映像に、今日も一日頑張るぞというやる気をもらっていた、という方も多いと思います。徳光アナの後、'88年に福留アナ、'98年に福澤朗アナが後任となりました。

 そして通勤・通学する方にアントン・ウィッキーさんが“グッドモーニング!”と話しかける『ウィッキーさんのワンポイント英会話』はものまねやパロディーが生まれる名物コーナーとなり、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)では生放送への映り込みに挑戦、鞍馬天狗姿のビートたけしさんと高田純次さんが見事に成功していました

1位は海外旅行番組のパイオニアが!

 そして1位に選ばれたのは

「番組のテンポ感がよかった。当時誰も行かないような場所に行っていたのがすごかった」(京都府 女性53歳)

「海外旅行が一般的でなかったころ、海外の情報が見られてドキドキしました」(新潟県 男性67歳)

 と153票の支持を得た『兼高かおる世界の旅』(TBS系)だ。

'59年に放送が始まり、'90年の終了までの31年間で訪問したのは世界150か国あまり、距離にしてなんと地球を180周もしたというから驚きます。ナレーターの芥川隆行さんを聞き手に、兼高さんが世界のさまざまな地域の人々に取材した映像を紹介する番組は日曜朝の定番でした

 壮大な音楽をバックに、協賛のパンアメリカン航空(パンナム)の飛行機が飛び立つオープニングの映像に心がときめいた方も多いことでしょう。また兼高さんの“あたくし”“~ですのよ”という品のよい美しい言葉遣い、綿密な取材に裏打ちされた格調の高さも番組の特徴でした。

 ちなみに『ベストテン』司会の黒柳さんの女学校の先輩で、現在ベストセラーとなっている『続 窓ぎわのトットちゃん』には卒業生として学校へやって来た兼高さんについて“おしゃれな姿はすべての在校生のあこがれの的だった”と書かれていました

 あなたが好きだった番組は何でしたか?

成田 全 雑誌編集者、漫画編集者など経て、フリーに。インタビューや書評を中心に、幅広い分野について執筆活動を行う