衣装のままマルを抱く藤。後ろでポーズをとるのが姉猫のオレオだ
衣装のままマルを抱く藤。後ろでポーズをとるのが姉猫のオレオだ
【写真】32万人を虜にするキュートな保護猫の“マルオレ”

 

 その言葉を聞いた瞬間、“そうよ、ここにあの子がいたらどんなに私、幸せかしら。やっぱりがいないと無理”と強く思ったという。そんな藤に義母が言ったのが、“1匹より2匹がいいわよ”という言葉─。

人は1人では生きられないんだなって実感

「“えっ、いきなり2匹?” って思ったんですけど、今は本当に義母の言うことを聞いてよかったと思っています。最初は、マルちゃんともう1匹、ユキオっていう、4匹の子の中でガキ大将みたいなを引き取ろうかなって思っていたんです。

 でもマルちゃんが鈍くさいから、この組み合わせはちょっとどうかな……と。すご~く悩んで、もらう前日にいちばんおとなしそうなハチワレの子でお願いしますって。そうしたら、それが唯一の女の子だったの」

 マルとオレオが東京にやってくる日、仕事だった藤さんの代わりに、スタッフの女性が名古屋に向かい、大阪から来た義理のお母さんから2匹を受け取った。

当時、義母は闘病中だったんですけど、病気にもかかわらず、あの子たちをバッグに入れて何時間もかけて来てくれた。その思いがありがたいなって改めて思います……。
マルの名前は決めていました。私の本名と夫の名前から1字ずつ取ってマル。

 イチローさんが奥さん(弓子夫人)と1字ずつ取って、ワンちゃんに一弓って名前をつけたじゃない? わが子のように可愛がって。そこからヒントを得ました。オレオちゃんは、うちの孫娘に名前をつけてもらいました。“とにかくオレオ!”って言うから、オレオ」

 マルオレとの暮らしはいろんな気づきをもたらしてくれた、と幸せそうに語る藤。

「人は1人では生きられないんだなって実感します。家族ってひとつの社会じゃないですか。そこからどんどん外に社会が広がっていくわけですから、家庭の中が円満じゃないと、いい世の中になっていかない。

 まず、自分ができることといったら、家庭の中を楽しく明るく、ほのぼの生きること。それがどれだけ大切か。この子たちと暮らすことによって教えられたことでもあるし、何よりも強く感じたことですね

取材・文/ガンガーラ田津美