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ー 過去にも大麻使用者がいたことが発覚

 12月4日、日大がアメリカンフットボール部の部員による違法薬物問題についての会見を行った。林真理子理事長らが改善計画などを説明したが、世間にとっては納得のいく内容ではなかった。

過去にも大麻使用者がいたことが発覚

「廃部の方針を決め、文部科学省への報告書にも盛り込んだが、理事会で反対意見が複数出たため、正式決定は見送り。この会見でも林理事長は、廃部について“継続審議中”だったり、“私の考えはご容赦いただきたい”などと濁した言い方でした。

 結論の時期も“できるだけ早いうちに”と、具体的な言及はしませんでした。また、酒井健夫学長と沢田康広副学長は辞任となりましたが、林理事長は6か月の減給処分。“まだ改革が途中”と辞任はしない予定です」(スポーツ紙記者、以下同)

 その改革についても歯切れは悪かった。

「林理事長の口から具体的な改善策を説明することはほとんどありませんでした。学長や副学長が辞任した後の新体制についても、“早急に”としながら、時期については、“相手がいることなので”とはぐらかした言い方でした。

 会見全体を通して、今後の具体的な改革の方針については、ほとんど説明がなされませんでした」

 アメフト部の薬物問題が発覚する前の7月、就任1年の節目で林理事長は改革の進み具合について、

「今は6合目」

 と富士山登頂になぞらえて表現。この会見ではというと、

「何合目というより、“富士吉田の駅についたところ”だと思っています。これからバスに乗って5合目まで行かないといけない」

 という“迷言”を残した。改革は“6合目”から戻ってしまったということなのか……。

 煮え切らないモヤモヤ会見となったが、部を存続する方向に進むなら、悪しき流れを断ち切る必要がある。

北畠成文被告(日大HPより)
北畠成文被告(日大HPより)

 違法薬物問題の最初の逮捕者で、起訴された北畠成文被告は、どれくらいの部員が薬物を使用していたか問われ、

「10人程度だったと思う」

 と証言したという。部内に薬物が蔓延していたことについて、アメフト部関係者はこう語る。

「留学生が寮内で大麻を吸い始めたことがきっかけで、大麻へのハードルが下がり、日本人の学生にも広まっていったようです。寮内の1室を“大麻部屋”とし、複数の部員が使用していたこともあったそうです」

 部内の薬物への抵抗が下がっていたことで、さらなる“汚染”が広がることに。

「北畠被告は、“大学入学直前の高校3年生の3月時点で地元の友達に勧められて使用した”と初公判の中で答えています。

 実は、薬物使用に関与した疑惑のある部員の1人も高校時代から大麻を使用していたと聞いています。北畠被告とは違う高校ですが、同じ関西地方の高校から入部し、寮生活をしていました。

 この部員は昨年に大麻使用が発覚したものの、ひっそりと退寮処分を受けただけで、部員として活動は継続。大きな問題になるまで、日大サイドは薬物に対する認識が甘かったのでしょうね」(アメフト関係者)

 “学生ファースト”を掲げる林理事長は、膿を出し切って改革をやり遂げられるのだろうか。