若い世代の視聴者を取り込むことができるか

 来年1月7日からは吉高由里子主演で平安時代に『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く『光る君へ』が始まり、翌'25年は江戸の出版プロデューサーであった蔦屋重三郎を主人公に『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺〜』が横浜流星主演で制作される。

NHK大河ドラマ『光る君へ』に出演する吉高由里子、柄本佑
NHK大河ドラマ『光る君へ』に出演する吉高由里子、柄本佑
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 成田さんは今回のアンケートで特に30~40代の世代の多くが「大河を見る習慣がない」と答えていたことが気になったという。

この先2年続けて合戦や戦争を取り上げないのは、戦によらない人と人との心のぶつかり合いを描こうとしているのだと思います。

 大河は戦国時代と幕末が取り上げられることが多いのですが、それは相次ぐ戦による時代の大きなうねりがあるので、1年間続く長いストーリーの中で起伏をつけやすいから。

 しかしここ最近は通説にとらわれない、平時の人間関係の描写にも重きを置いているようですので、若い世代の視聴者開拓に向けていろいろと腐心しているのだと思います。

 またSNSなどでの話題作りや物語の考察も盛り上がりに欠かせない要素になっていますから、動かせない歴史上の出来事を描きつつ、先の展開を読まれないよう、有名な戦国武将や幕末の志士だけではなく、これまで取り上げてこなかった時代や人物へ幅を広げようという試みもあるのではないでしょうか」

 時代の激流に翻弄される人々を1年かけて描く大河ドラマ。来年はどんな人生の物語を見せてくれるのだろうか。

大河ドラマ“がっかり”ランキング11

1位 『いだてん ~東京オリムピック噺~』('19年)
   六代目中村勘九郎阿部サダヲ 106票

2位 『どうする家康』('23年)
   松本潤 64票

3位 『おんな城主 直虎』('17年)
   柴咲コウ 19票

4位 『西郷どん』('18年)
   鈴木亮平 14票

4位 『新選組!』('04年)
   香取慎吾 14票

6位 『花燃ゆ』('15年)
   井上真央 13票

6位 『平清盛』('12年)
   松山ケンイチ 13票

同率8位 『武蔵 MUSASHI』('03年)
   七代目市川新之助 10票

同率8位 『琉球の風』('93年)
   東山紀之 10票

同率8位 『花の乱』('94年)
   三田佳子 10票

同率11位 『義経』('05年)
   滝沢秀明 9票

同率11位 『春日局』('89年)
   大原麗子 9票

成田 全●雑誌編集者、漫画編集者などを経て、フリーに。インタビューや書評を中心に、幅広い分野について執筆活動を行う