日本人はダジャレが大好き

 小林製薬といえば『のどぬ~る』をはじめ、『ボーコレン』『キズアワワ』『ガスピタン』などの直球系ネーミングの覇王。

「日本人は古来、ダジャレ的ネーミングが大好き! パンダが初めて日本にやって来た1970年代には『これはパンダ』なんていうパンダ形パンがスーパーなどで売られていましたね」(山口先生、以下同)

 小林製薬のネーミングには日本の心が宿っている!?

「ちなみに僕の好きな小林製薬の商品名は『熱さまシート』。これ最高! あと『ナイシトール』も語感がよくていいよね」

 内脂肪を取るからナイシトール。プリンをのせたから、プリンノセターノ。これはもう発想が兄弟というか親子というか絆があるのは間違いない。直球でありつつ、そこはかとなく異国感(?)の漂う音引き(とーる、たーの)の処理も、共通のセンスを感じる。

 実はこの“なんちゃってイタリア語”的なネーミングセンス、いろいろなジャンルの商品名で目にすることができる。

 グミの『カンデミーナ』(ハードな食感がウリ)、『ソーセージマルメターノ』(スーパーの惣菜コーナーが放ったスマッシュヒット)、パンの『モッチーノ』(もちもち食感だから)……。

 また、主婦向けの便利グッズにもこの手の直球ネーミングが多いとの情報を得て、某通販チラシを見てみると、冷蔵庫の回転台『マワリーナ』、さび落とし洗剤『サビトリーナ』、ウロコ取り器『鱗トル』、レトルト食品を切って絞り出せる『しぼりたカッター』、間仕切り『仕切れるン棚』。みんな大好きなのがよくわかりました。

 プリンノセターノ、食べタイ~ノ!


取材・文/ガンガーラ田津美