朝ドラのオーディションは『ブギウギ』が4度目で、今回の募集基準は彼女の年齢までだったとか、デビュー作の『金八』も「ファイナル」だったり。恩師との出会いにしてもそうだ。師事した俳優の塩屋俊鈴木亮平桐谷健太らを育てた名伯楽だが、彼女がデビューした2年後に急逝。バレエでの挫折や七光の重圧によって自信を持てなかった彼女に「自分を解放していい」「おまえは大丈夫」と励まし続けたという。

 もちろん、朝ドラ側にすれば、彼女が2世であることもポイントだったのだろう。

『ブギウギ』を制作するNHK大阪は近年、安藤サクラをヒロインに起用してきた。年配の視聴者をしっかり押さえておきたい枠なので、親の顔までわかる2世(及び、小さいころから知られている子役出身者)は主役にもってこいなのだ。『紅白歌合戦』伊藤蘭を出場させ、母娘共演をにおわせるなど、利用する気満々だ。

“一人でも生きていける強さ”

 ただ、大物芸人や大物俳優の子であっても大成するとは限らないのが芸能界。まして、某ものまねタレントの息子のように、なんとなく売れたと思ったら、クスリで消えたというケースもある。

 趣里がここまでくることができたのは、努力を結果につなげられる2世だからだろう。ちなみに、前出のインタビューでは、こんなことも言っている。

水川あさみのインスタグラムで公開された、『ブギウギ』撮影中の趣里との“親子”ショット
水川あさみのインスタグラムで公開された、『ブギウギ』撮影中の趣里との“親子”ショット
【写真】趣里の両親である水谷豊と伊藤蘭が木梨憲武と貴重すぎるスリーショット

「“一人でも生きていける強さ”は、ちゃんと持っていたいです」

 結婚についての発言だが、2世であることに頼らないという意思も固い人なのではないか。2世芸能人が成功するための教科書みたいな生き方。そんな印象を受ける、現時点での姿だ。

宝泉薫(ほうせん・かおる) アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。