Kawaiiではないアメリカのパンダ観

 このように、中国と日本ではジャイアントパンダは高い関心を集める存在だが、ほかの国でもパンダは“注目の的”なのだろうか。北九州市立大学で和製英語の研究を行うアン・クレシーニさんは「日本人とアメリカ人とでは、パンダを可愛いと感じるポイントが違う」と話す。

「日本はアメリカに比べて可愛いものが好きな大人が多く、パンダのキャラクターもたくさんいますよね。実物のパンダにキャラクター的な愛らしさを見いだしているのも、Kawaii文化が根づいている日本の特徴といえます。また、私が日本のパンダと聞いて思い浮かべるのは'90年代に起きた『たれぱんだブーム』。当時、日本では、子どもも大人もたれぱんだのグッズを持っているのが印象的でした」(クレシーニさん)

 もともと、アメリカでは可愛いキャラクターグッズ=子どものアイテムというイメージが強く、大人になると男女問わず「カッコいいもの」を求める。そのため、日本人のように“可愛いキャラクターグッズを身につける大人”は少数派だという。

「アメリカで人気のパンダといえば'08年に公開された映画『カンフー・パンダ』の主人公・ポーです。同作の場合は、ダメな主人公が修行を積んでカンフーマスターになるストーリーや、ヒーローっぽくないキャラクターの設定がヒットにつながりました。アメリカ人は見た目の可愛さよりも、応援したくなるキャラクターに魅力を感じるようです。同じ動物のキャラクターでも、誕生する国によって求められる要素が大きく異なるのは、とても興味深いですよね」(クレシーニさん)

 国によって異なるパンダ像。海外でパンダがどのように描かれているのか調べてみると、新たな発見があるかもしれない。

アン・クレシーニさん●言語学者。アメリカ・バージニア州出身。2023年11月に日本国籍を取得。日本在住歴23年、現在は福岡県宗像市に暮らす。北九州市立大学准教授を務め、西日本新聞にて連載中。最新刊『なぜ日本人はupsetを必ず誤訳するのか』(アルク)など、著書多数。
アン・クレシーニさん●言語学者。アメリカ・バージニア州出身。2023年11月に日本国籍を取得。日本在住歴23年、現在は福岡県宗像市に暮らす。北九州市立大学准教授を務め、西日本新聞にて連載中。最新刊『なぜ日本人はupsetを必ず誤訳するのか』(アルク)など、著書多数。
【写真】たまらなく可愛い!パンダのバックショット
アン・クレシーニさん●言語学者。アメリカ・バージニア州出身。2023年11月に日本国籍を取得。日本在住歴23年、現在は福岡県宗像市に暮らす。北九州市立大学准教授を務め、西日本新聞にて連載中。最新刊『なぜ日本人はupsetを必ず誤訳するのか』(アルク)など、著書多数。