アヤシイ民間療法に時間も金もつぎ込む

 70代男性・Cさんは進行性膵臓(すいぞう)がんと診断され、標準治療である抗がん剤治療をすすめられるが、ネットで見つけた「ビワの葉の温灸(おんきゅう)療法でがんが治った」との情報を信じて、抗がん剤治療を拒否。

 地元の東北から治療院のある大阪に転居までして温熱療法を続けるが、がんが増大。たまらず病院を受診したときには、皮膚から腫瘍が露出するほどに。結局、地元に戻って入院するが、退職金は温熱療法に使い切っていた。

▼井岡先生から

「ネットには“がんが治る”とうたった民間療法情報があふれていますが、がんを治癒する効果が医学的に認められたものは存在しません。

 治療に影響がなく、高額でもなければ、強く否定はしませんが、避けたいのはCさんのように、標準治療を拒否してしまうことです。“標準治療”と聞くと、“並の治療”のような印象を受けてしまうかもしれませんが、それは大きな間違い。

 標準治療とは、何段階もの臨床試験で効果が認められ、保険適用となったもの。効果面でも費用面でも現段階で“最良の治療”であり、簡単に拒否するのは得策ではありません。

 気になる民間療法があったら、まず主治医に相談を。また全国各地の『がん相談支援センター』でも相談に応じています」