みちょぱと村重の決定的な違い

 この村重発言のプチ炎上から、筆者はみちょぱがいかに優秀で地頭がいいのかということを、改めて実感した。

 同い年の村重とみちょぱは、ギャル要素があってストレートに過激発言をするところがテレビ業界でウケているという共通点があるが、こういったニュースや事件に対してのコメントでは雲泥の差がある。

 みちょぱは『サンデー・ジャポン』(TBS系)や『中居正広の土曜日な会』(テレビ朝日系)などに頻繁に出演し、昨年3月に終了した『スッキリ』(日本テレビ系)では2年間、曜日レギュラーでコメンテーターに抜擢されていた。

 もう何年もワイドショーに出演し続けているわけだが、的確でありながら忌憚のない彼女のコメント力の評価は高く、発言が炎上したということもほとんどない。

 おそらくみちょぱも村重も、“学校のお勉強”をがんばってきたタイプではないのだろう。だが、みちょぱは“地頭”がいいのだ。そのときに問題となっている事象を客観的に整理し、争点を正確に理解することができるなど、物事の真理を見定める能力が優れている。

 さらに掘り下げると、みちょぱは“自分がわかっていないこと”をきちんと理解できているのも強みのひとつだ。

 みちょぱがわからないことを質問すると、この子の知識力は乏しいと思う人もいるかもしれないが、彼女はロジカル思考が得意で、その議題の問題点を瞬時に理解できるから、発言の筋が通っている。

 対して村重はたぶん、“自分がわかっていないこと”がなんなのかを、わかっていない。

 そのため、みちょぱと村重では、同じようなストレートな過激発言でも違う受け取られ方をされるのである。

 みちょぱは状況をロジカルに整理したうえで、自分の感情や主張を乗せているので正論となるが、村重は論点がわかっていない状態で、自分の感情や主張を言い放ってしまうので、的外れな暴論になってしまうのだ。

――みちょぱと村重は、“忌憚のない発言ができるギャルっぽいタレント”というアウトラインは同じでも、中身がまるで違うということが浮き彫りになってしまった。

 これが村重がみちょぱにはなれない決定的な理由である。

堺屋大地●コラムニスト、ライター、カウンセラー。 現在は『文春オンライン』、『CREA WEB』(文藝春秋)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『日刊SPA!』などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。公式Twitter:https://twitter.com/sakaiyadaichi